大阪市大大学院で機械物理系を専攻する王者坂本真宏(27=六島)が初防衛に成功した。同級3位ウィチャー・プーライカオ(36=タイ)に6回1分36秒、KO勝ち。国内ジム初の“国公立大現役大学院生ボクサー”による世界王座挑戦に1歩前進した。

 ミニマム級の世界王座に2度挑戦したベテランから、1回にダウンを奪取。左右の多彩でコンパクトなコンビネーションで圧倒し、最後はウィチャー陣営がタオルを投入した。圧勝の初防衛。しかし、坂本陣営の採点は「100点満点の5点」と超辛口だ。

 計画的に行うべき減量が“一夜漬け”だった。計量日の31日未明時点でリミットを1キロもオーバー。スーパー銭湯→ジムのサウナと夜通し汗をかき続け、何とかクリアした。工学研究科の材料物性工学研究室で酸化チタンを研究する“理系男子”らしからぬ、アバウトな失態。坂本は「チャンピオンとしての自覚が足りませんでした。そこが一番の反省です」と頭を下げた。

 それでも、夢に近づいたことは間違いない。国公立大の理系を卒業し、大学院に通いながら、殴り合いの頂点に立つ-。坂本は、WBO世界フライ級王者木村翔と16年11月にWBOアジア太平洋王座決定戦を行い、判定0-2で惜敗した。現在はWBO世界ランク9位。究極の“2足ワラジ”を夢は見えてきた。

 六島ジムの枝川会長は「まだまだやね。もっとすっきり倒して、力を見せつけんとね」と言いつつ、世界戦実現に向け「(世界ランクを)もっと上げていって、何とかしたい」と語る。坂本は本来なら、今春で完了する予定だった修士課程を1年延ばした。「お世話になってる大学のみなさんに恩返しするためにも、何とか来春までに…」と意欲満々だった。