ボクシングのWBO世界ミニマム級王者山中竜也(23=真正)に挑戦する同級3位ビック・サルダール(27=フィリピン)が9日、神戸市内のジムで練習を公開した。山中の2度目の防衛戦(13日、神戸市立中央体育館)に向け「勝つ自信はある。日本はフェアな国なので判定もフェアだと思うが、アウェイなので倒しにいきたい」とKOでのベルト奪取を誓った。

 この日は、ニワトリの「とさか」のように、頭の一部分の髪をピンクに染めて登場。奇抜なヘアスタイルについては「1カ月前に染めた。見た人に覚えてもらう意味もある。ハードな練習を楽しくやろうというもの」と経緯を説明した。

 周囲からは笑顔があふれた。そんなスタッフを見やりながら「ジムでも『楽しくやろうよ』ということで、毎回こういうことをやる」と、海を越えても変わらない反応に満足げだった。

 肝心の競技面では15年の大みそかに、当時のWBO世界ミニマム級王者田中恒成(23=畑中)に挑戦。5回には右のパンチで田中を人生初のダウンに追い込んだ。最後は6回KO負けを喫したものの、日本のボクシングファンにも知られた存在となっている。

 アマチュアには10年間在籍し、500試合以上をこなしたといい、陣営は「経験値」を強みとして挙げる。10年の広州アジア大会ではライトフライ級銅メダル。低姿勢な挑戦者は大きな夢をつかむため、山中の前に立ちはだかる。