同級王者源大輝(27=ワタナベ)が逆転TKO初防衛に成功した。

 2度目の日本王座挑戦となった同級3位大坪タツヤ(28=T&T)との対戦。3回に右ストレートをもらってダウンしたが、4回から先手をとって反撃。9回に右ストレートを打ち込んで、ひざをつかせるとレフェリーストップ。9回2分24秒TKO勝ちを収めた。

 渡辺会長は「ひやひやもいいとこ。やられたと思った」と肝を冷やした。初回から両者とも果敢な打ち合いも、源は再三クリーンヒットをもらった。3回には右ストレートを浴びると、よろめくようにダウン。立ち上がったがフラフラだった。

 この回をしのぐと、セコンドにカツを入れられて反撃に出た。プレスをかけ、接近戦で上下を攻め、手を止めなかった。いいパンチももらうが単発で、手数では大きく上回る。4回からは一方的な展開となり、9回にダウン途中でレフェリーが試合を止めた。

 4月に3年ぶり2度目の日本王座挑戦で7回TKO勝ちで王座についた。母礼子さんの一周忌だった。「あの時は母がとらせてくれた。実力を試された試合で、今度は石原トレーナーらのセコンドに助けられた」と頭を下げた。

 リングインタビューで、対戦を希望する2人の名前を挙げた。サウスポーの東洋太平洋同級王者清水(大橋)と日本同級1位阿部(KG大和)。「ボクは左には3戦全勝している。かかって来いや! 世界をとる拳を持っている」。苦闘の初防衛にも威勢よく豪語した。