ボクシングのミドル級頂上決戦は、WBA世界同級王者村田諒太(32=帝拳)にとって、長く険しい道を強いる結果となった。

15日(日本時間16日)に米ラスベガスで開催された2団体統一(WBAスーパー、WBC)世界同級タイトル戦は、挑戦者のカネロこと元2階級制覇王者サウル・アルバレス(メキシコ)が、王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に2-0の判定勝ちで初黒星をつけ、1年ぶりの再戦に決着をつけた。生中継したWOWOWでゲスト出演を終えた村田は「遠ざかりますよね、興行的には。またしんどい道が始まる」と率直な心境を述べた。

ゴロフキンとは青写真が描けていた。交流があり、WBA王座統一戦として東京ドームでのビッグマッチに関心も示していた。10月20日にラスベガスで同級2位ブラント(米国)とのV2戦が控える村田も、次々戦に据えていた。対してアルバレスは、米国での人気は群を抜き、日本に呼べる可能性は低い。興行的な観点から「2、3段階ステップを踏まないと、カネロは出てこない。たどり着けないと思う」と分析した。

現実は厳しい。ただ、「いちいち揺れ動いていてもしょうがない。次の試合に集中するだけ。証明すべきことがまだまだある」。新たな覚悟を固め、より本場でアピールする必要性を口にした。【阿部健吾】