元幕内大砂嵐(26)が総合格闘家デビューを勝利で飾れなかった。総合格闘技の経験豊富なボブ・サップ(45)と対戦。167.40キロの自身に対し、相手も147.90キロと超ヘビー級対決となったが、大砂嵐が0-3の判定で敗れた。

開始から怒濤のパンチ連発で優位に立った。サップの右目横からは流血。2回には倒され、サップに上からパンチをもらったが、懸命に耐え、下から反撃のパンチを繰り出した。最終3回、ともにスタミナ切れでお見合い状態になった。イエローカードも出されたが、疲労から攻められない。試合は判定に持ち込まれ0-3で敗れた。

都内で開かれた前日計量では一触即発ムードが漂った。167・40キロでパスした大砂嵐は、147・90キロでクリアしたサップと対峙(たいじ)すると額を突き合わせ、ピリピリした緊張感が走った。関係者5人の制止で事なきを得たものの、スーパーヘビー級対決の肉弾戦が予想されていた。

今年3月に相撲界から引退した大砂嵐は4月に総合格闘家の転向を決断。5月には渡米し、シアトルで元UFCヘビー級王者ジョシュ・バーネット(40=米国)の指導を受けながら総合格闘技の修行を積んできた。大相撲時代のすり足や両手の使い方のくせを修正に時間がかかり「ちょっと大変だった。7~8年も相撲をやってきたから時間はかかる」と振り返った。それでもバーネットの技術面のてほどきで自身の戦闘能力はアップした手応えがある。「これからもっと良くなる」と自信を胸にリングに上がっていた。

過去2度(03年、15年大みそか)、元横綱曙を下し、“相撲キラー”とも言われるサップを自らデビュー戦の相手に指名した。SNSなどを通じ、横綱白鵬や幕内の石浦、元横綱朝青龍ことドルゴルスレン・ダグワドルジ氏ら角界関係者から「頑張って」「勝ってよ」という激励メッセージを受け取っている。「サップよりも大砂嵐が強いです」と自信を胸にデビュー戦を迎えたが、総合格闘技初白星はお預けとなった。