7日のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦を突破し、初防衛に成功したWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が日本ボクシング界の「ヒストリーメーカー」になる意欲を示した。元WBAスーパー王者フアンカルロス・パヤノ(34=ドミニカ共和国)を日本人世界戦最速KO記録となる70秒で撃破した井上は8日、横浜市の所属ジムで会見に臨んだ。

日本人世界戦の2戦連続1回KO勝ちも元WBC同級王者長谷川穂積と並ぶ日本記録となる。来年3月ごろに米国で予定される準決勝では3戦連続KO勝ちという新記録がかかる。両肩に力が入りすぎることを考慮し、井上は「完封します」とだけ宣言。師匠の大橋会長は「パヤノ戦は歴史に残るKO。大体、30秒で相手を見極められる。また早い段階で決めちゃうかも」と新記録を予告した。

過去にも当時の国内最速で2階級、3階級と制覇し、パヤノ戦でも日本人の世界戦通算KO記録(11試合)、連続KO記録(7連続)も更新した。今後もボクシング界の歴史を塗り替える好機は巡るため「1つ1つの試合をやって結果的に記録がついてきた。この形で続けられたら」と新記録樹立の継続に意欲的だ。

準決勝の相手が決まる20日のIBF同級タイトル戦(米オーランド)は大橋会長と視察する予定。現IBF王者ロドリゲス(プエルトリコ)の勝利を期待しつつ「実際に見てどうか。確認したい」と楽しみにしていた。【藤中栄二】