日本スーパーライト級1位井上浩樹(25=大橋)が、デビュー12連勝で生き残った。同級2位マーカス・スミス(33=平仲BS)と無敗のサウスポー対決。7回にダウンを奪い、3-0の判定勝ちを収めた。

12月1日に王者細川バレンタイン(37=角海老宝石)が、V2戦で同級10位稲垣孝(33=フラッシュ赤羽)と対戦する。井上は来春にその勝者への挑戦権を得た。世界王者井上尚弥のいとこで、拓真に続く井上家3人目の王者へ王手をかけた。

試合が判定に持ち込まれると、場内からため息が漏れた。井上は6回に左ストレートでダウンを奪った。そこから詰め切れずに2度目の判定勝利に終わった。リングを下りる時から涙が止まらなかった。今年に入って右肘けんしょう炎となり、前回の試合前はスパーリングができなかった。今回も3回だけ。さらに右足裏の筋膜炎で走り込みもできなかった。

「足を使ってポイントを取るしかない」という作戦だったが、初回にガードを固めながらもスミスの強打を浴びた。「ブロックしただけで肘が痛かった」という。リング上では「原因は分かっている」と言ったが、控室では「言い訳にはしたくないが、プロとして失格。なんとか生き残れてホッとしている」と話した。

大橋会長は「棄権も考えたぐらい厳しい状況だった。おれならやらない。スタミナがもたないと思った。それがダウンをとって勝った。100点満点」と話した。初のタイトル挑戦へ、まずはケガの完治が最優先となる。