WBC世界スーパーバンタム級2位亀田和毅(27=協栄)が、大人の対応で2階級制覇へ自信を示した。12日の暫定王座決定戦の調印式が、10日に東京・後楽園ホールで行われた。同級1位アビゲイル・メディナ(30=スペイン)は寝ていて35分遅れの到着にも、怒ることもなく意に介さなかった。

亀田は15歳から単身メキシコ修行し、スペイン語にたけている。メディナが遅刻を謝罪したが「寝ていたと言ってたよ」と報道陣に通訳。昔なら陣営が放っておけずに怒りを爆発させるところ。「メキシコでいろいろ経験した。昔ならイラッとしたが、早く来た方」と笑わせる余裕があった。

調印式後に長兄興毅トレーナーがブログで引退を正式表明した。3兄弟では唯一の現役で、最後のとりでとなった。この一戦にかける思いは一層増した。「残っているのは俺だけ。亀田家の思いを背負って、最高の試合で、亀田家が大復活する」と宣言した。

これまで3兄弟で世界王者と同時世界王者で2度ギネス記録を持つ。今回は3兄弟2階級制覇がかかる。イベントプロデューサーも務める興毅トレーナーは「もちろん申請する」と力を込めた。【河合香】