亀田は1回にゴングと同時に前に出て、プレッシャーをかけにいったのが良かった。予想ではもっと足を使うと思っていたが、従来の持ち味のスピードに加え、1階級上げたパワーを感じられた場面だった。流れをつかみ、前半で大きくポイントをリードできたのが勝因となった。

このままいくかと思われたが、中盤には逆にプレッシャーをかけられ、危ないパンチもあった。亀田が倒すパンチではなく手打ちになってしまい、ぐいぐい出てこられた。パワーが継続できなかったことが今後の課題で、今回はうまく逃げ切ったが、そこは今後は一層つけ込まれてくるだろう。

小学生で初めて見た時に、この選手は世界王者になるなと感じさせる非凡さはあった。個人的にはパワーよりも、武器のスピードを生かしていくようなスタイルを突き詰めるべきだと思う。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)