ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)準決勝進出を決めているWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)は恒例の静岡・熱海合宿で本格的な練習を再開した。

先月7日のWBSS1回戦で元スーパー王者フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を日本人の世界戦最速となる70秒KOで撃破した後、同20日には米オーランドで準決勝の対戦相手に決まったIBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)の初防衛戦を視察。その間、テレビ収録などで多忙な日々を過ごしていた。

既にロードワークなどで体を動かしており、合宿初日から取り組んだ土のう(17キロ)を担いだダッシュも精力的に消化。「全身に(負荷が)きますね」と言いながら、12月30日に世界初挑戦が決まった弟拓真(22)、日本スーパーライト級1位のいとこ浩樹(26)と同じメニューに取り組み「競い合いながらやると楽しくていいですよね。笑いあり、涙ありで。負けたくないですね」と口元を引き締めた。

WBSS準決勝は来年3月に米国で予定されているため、年内は「拓真のサポートに回れたらいいと思います」とキッパリ。ペッチがパヤノと同じサウスポー。まだペッチの試合動画を見ていないものの「これから見ていきたい。同じバンタム級ですし、弟にアドバイスしたいですね」と意欲的だった。