ボクシングWBO世界スーパーウエルター級3位井上岳志(29=ワールド)は26日(同27日)王者ハイメ・ムンギア(メキシコ)に0-3の判定で敗れ、世界初挑戦に失敗した。

身長、リーチとも大きく上回るムンギアに、徹底して接近戦を挑んだ。何度もロープ、コーナーに追い込んで右ストレートを決めた。31戦全勝で怪物とも呼ばれるムンギアに距離をとられ、ガードの上からでもダメージの出るパンチをもらったが、最後までひるまず前に出た。

1人のジャッジが10点差をつけた大差判定負けの結果も、世界初挑戦で、不屈の魂はみせた。

前日25日(日本時間26日)の前日計量を69・7キロで一発パス。「あまり動じていない自分がいる。今まで減量した中では一番調子がいいかもしれない。この試合でボクシングをやってきた意味が問われる」と意気込んだ。

王者は31戦全勝(26KO)の次期スター候補でミドル級との2階級制覇に色目も見せる。大手ブックメーカーのオッズは1-16の差。スーパーウエルター級(69・8キロ以下)は世界的に選手層が厚い階級でフロイド・メイウェザー(米国)マニー・パッキャオ(フィリピン)、ミゲール・コッド(プエルトリコ)ら名王者が在籍した階級。井上が前評判を覆して日本人の正規王者となれば三原正以来38年ぶりの快挙だったが、世界の壁は高かった。