読者が選ぶ第23回日刊バトル大賞の18年ボクシング部門は、3階級制覇王者でWBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)が4年ぶり2度目の最優秀選手に輝いた。年間最高試合(10月7日、フアンカルロス・パヤノ戦)も初受賞し、2冠を獲得した。

階級最強を決めるワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦で、元スーパー王者パヤノを日本人の世界戦最速となる70秒KOで倒し、大きなインパクトを残した。高い支持を得た井上は「あの大きな舞台で自分なりに納得できた試合でした。投票していただけてうれしいです」と感謝。5月には10年間無敗だった王者ジェイミー・マクドネル(英国)に挑戦し、112秒のTKO勝ちして3階級制覇。挑戦と銘打った18年は王者クラス2人を計182秒で倒し「満足した1年でしたね」としみじみと振り返った。

今年の目標は統一王者と設定した。今春に予定されるWBSS準決勝ではIBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)と対戦する。勝てばWBO王者ゾラニ・テテ(南アフリカ)-WBAスーパー王者ノニト・ドネア(フィリピン)の勝者と決勝で拳を交える。日本人初の3団体統一王者を狙える立場。「今年は優勝と統一です」。昨年以上のインパクト、記録、歴史を刻むつもりでいる。【藤中栄二】