WBO世界フライ級タイトルマッチの調印式、前日計量が15日、名古屋市内で行われ、世界最速タイ3階級覇者の王者田中恒成(23=畑中)と元WBA&IBF世界ライトフライ級統一王者の挑戦者田口良一(32=ワタナベ)がともにリミットの50・8キロでパスした。17年大みそかに対戦するはずが、田中の両目負傷で流れたカードが実現する。

田口は新幹線で名古屋入りして計量に臨んだ。過去の世界戦9試合は、すべてボクシング教室で通った思い出の東京・大田区総合体育館だった。初のアウェーとなるが「昔なら意識しすぎて緊張した。今は気にならない」と落ち着いた表情。階級を上げたことで減量苦からも解放され、肌つやもいい。渡辺会長は「今までで一番のコンディション」とうなずいた。

1月10日に大一番が発表されてから「人生史上最速の2カ月」を過ごしてきた。「やり切ったことを出し切りたい。逃げるつもりはなく打ち合う」と気合を込めた。この朝の出発前に先輩の内山氏に電話で決意を伝え、励ましの言葉で送り出されてきた。

王者時代も好きな青で通してきた。今回はガウン、トランクス、リングシューズ、グローブに加え、スニーカー、キャリーバッグも青で統一。挑戦者カラーに思いがこもる。計量後の食事も恒例のデニーズにこだわり、お決まりのキウイフレッシュを飲み、決戦のゴングに備えた。