史上初の米国でのG1開幕戦が行われ、メインのAブロック公式戦でIWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(31)が、前年覇者棚橋弘至(42)を下した。

過去28回の大会でIWGPヘビー級王者で優勝したのは武藤敬司、佐々木健介2人だけ。棚橋との大一番を制し、史上3人目の偉業へ好発進した。

オカダと棚橋。新日本を背負う2人の黄金カードが初めて米国で実現した。ゴングが鳴っただけで観客が総立ち。リング上の2人は思わず笑みをこぼした。その期待にこたえるように試合は自然と熱を帯びた。

コンディションが不安視された棚橋に、3月のニュージャパン杯以来約5カ月ぶりとなるハイフライフローを場外、2発目と食らったが、3発目は膝で迎撃。レインメーカーを張り手でかわされ、さらに張り手で倒されるもまだスタミナは切れない。走り込む棚橋をとらえて、旋回式の墓石式脳天くい打ちでたたきつけ、レインメーカーにつなげ、とどめをさした。

試合後は「G1どうだった? また帰ってくるときはG1覇者で、かつIWGP王者だ」と英語でコメントし、現地ファンの心もがっちりつかんだ。これで棚橋とのシングル通算成績は6勝5敗3分け。「まだ1勝だけど、棚橋弘至から取った1勝は大きい」と勝利の意味をかみしめた。