日本スーパーフェザー級3位正木脩也(25=帝拳)が体重超過の対戦相手をKO撃破し、初メインを勝利で締めくくった。

フィリピン同級7位ローマン・カント(29)とノンタイトル8回戦で拳を交え、3回1分9秒、KO勝ちを収めた。

前日計量で800グラムオーバーしたカントに対し「むかついていた」と言いながらも、正木のファイトは冷静だった。序盤から的確な左ボディー、右ストレートを放ち、ペースを握った。3回には、大振りの左右両フックで攻める相手の左わき腹に狙いすませた左ボディーをねじ込んでダウンを奪取。右足をつらせたカントは立ち上がることはできなかった。

「帝拳ジムの興行で初メインだったのでKOしたい気持ちがあった。結果的にKOで良かったです」と振り返った正木は今年7月のアル・トヨゴン(フィリピン)戦に判定勝ち後、大阪から上京してきた母知佐子さん(48)に試合内容を激怒されたという。2時間ほどの説教で「ボクシングを辞めてしまえ、と怒られました。同じ空間にいるのがつらくて、コンビニエンスストアのイートインで悔しくて泣いてしまいました」。母に成長した姿をみせ、安堵(あんど)の笑みを浮かべつつ「来年、タイトルに近づけるように。ベルトを巻けるように頑張りたい」と決意を新たにしていた。