ボクシングの大みそかの世界戦に出場する外国人選手が28日に都内で練習を公開した。WBO世界フライ級12位ウラン・トロハツ(26=中国)は、セミファイナルで同級王者田中恒成(24=畑中)のV3戦で世界初挑戦する。

カザフスタン国境に近い新疆(しんきょう)ウイグル自治区出身で、少数民族であるカザフ族という。貧しかったが「自分の生活を変えるために」と、13歳でボクシングを始めた。プロ入りしてから家族のために家を建て、劉剛プロモーターによると「ウイグルの星」と言われているそうだ。

期待に応えるべく、陣営は今回6週間前から名トレーナーを加えた。中国3人目の世界王者徐燦を育てたペドロ・ディアス・トレーナー。ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)や村田諒太(帝拳)と2度対戦したアッサン・エンダム(フランス)らも育てた。

練習でも向き合って指示を出しながらのシャドー、投げられたボールをキャッチしたり、ジャンプして回転したり、独特なもので汗を流した。ディアス・トレーナーは「クレバー。田中は強いが穴はある」と話した。

3度目の来日で、17年には後楽園ホールのリングにも上がった。日本人には3勝1分と負けがない。「体調はいい。田中は素晴らしい選手。ワクワクしており、早く対戦したい」と試合が待ち遠しそう。「これまでの人生で最高のチャンス」と中国4人目の世界王者を期した。