4階級制覇王者井岡一翔(30=Reason大貴)が、8度目の大みそかで初防衛に成功した。

無敗の同級1位ジェイビエール・シントロン(24=プエルトリコ)との対戦。攻撃的ファイトで力の違いを見せて3-0で判定勝ちした。

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私の予想通り僅差判定だった。井岡が接近戦に持ち込み、効果的なボディーブローを打ち込んだのは確かだが、相手ガードの上のパンチも多かった。後ろに下がっているシントロンもインサイドから的確にパンチを当てていた。非常に効いたであろうパンチもあり、井岡の顔が腫れていた。全体的な流れでは井岡が攻めたように見えるものの、世界戦での外国人ジャッジは非常に細かいポイントまでチェックし採点している。

最終的に井岡が競り勝ったのは、攻めきったところに尽きる。圧力をかけ続け、被弾覚悟の気迫を見た。子供、家族のために勝ちたいという思いだろう。五輪出場2回の技術ある無敗挑戦者の足を使ったアウトボクシングに対し、序盤はペースを握られてもインファイトを貫き、勝機を見いだした。プロではオレの方が上と言わんばかりの経験差を見せつけた勝利だった。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)