ボクシング元女子世界王者が王座返り咲きをかけて激突する。28日の東京・後楽園ホールでのWBOミニマム級王座決定戦の調印式と前日計量が27日、都内で行われた。元WBO同級王者多田悦子(38=真正)、元WBAアトム級王者宮尾綾香(36=ワタナベ)とも、リミット47・6キロ以下でクリアした。

前王者佐伯霞(23=真正)が妊娠して返上した王座で、挑戦を狙っていた宮尾と佐伯と同門の多田が対戦することになった。ともに国内で公認された08年以前にデビューし、多田は4度目、宮尾は3度目の王座がかかる大ベテランの対決となった。

多田は昨夏に米国で1カ月練習した。「やるか、やられるかのスパーリングで久々ワクワクした」と刺激を受けた。宮尾に対しては「スピードがあって出入りもうまい」と話したが「リング上で向き合ってからプランを決める。今回は敵は己という気持ち」。10カ月ぶりの試合も、16戦目の世界戦に余裕があった。

宮尾は階級を上げて2階級制覇に挑戦となる。「階級が違うので戦うことはないと思っていた。ここで拳を交えることになり、驚いた」と話す。技巧派の長身サウスポー相手に「うまさに強さで対抗したい」。昨年9月の王座統一失敗以来の再起戦に「まだ未熟者。勝って飛躍できる一戦にしたい」と意気込んだ。