全日本プロレスの秋山準(50)が7月1日からDDTプロレスリングにレンタル移籍することが決まった。27日、DDT新宿FACE大会前に秋山、DDT高木三四郎社長、全日本福田剛紀社長が会見を行い、発表した。

秋山は5月にDDTの臨時コーチに就任。以来、ゲスト参戦しながら、故ジャイアント馬場の教えをDDTの選手に授けてきた。DDTのTシャツを着て会見に臨んだ秋山は「この年になって、まだ必要としてくれるところがあるということで正直うれしかった」と移籍を歓迎。「いろいろ思うことはありますが、男は黙ってDDTに尽力させていただきます」と意気込みを語った。

DDT高木社長は、ゲスト参戦後の反響と選手の刺激が今回の移籍につながったと説明した。「いろんなものを吸収したいという気持ちが強くなり、踏み込む形で参戦してもらいたいと思った。ダメもとで秋山さんにお願いし、(全日本)福田社長にも了承してもらった」と話した。

秋山は故ジャイアント馬場の王道を継承する全日本プロレスの顔であり、前社長として団体を支えてきた功労者。全日本福田社長は今回の移籍について「痛いものがある」と明かしつつ、「秋山選手の存在は日本のプロレス界の財産。業界発展のためにも広く後進の育成に尽力していただけるという思いが強くなり、最終的な結論になりました」と合意の経緯を説明した。

秋山はこの日、大石真翔、岡谷英樹と「秋山軍(仮)」を組み、竹下幸之介、勝俣瞬馬、飯野雄貴のALL OUT軍と対戦。DDTの若きエース竹下と16年6月にタッグ戦で対戦して以来以来4年ぶりに肌を合わせた。ほぼ同じ体格の2人は最初に相対し、押し合い、エルボーの打ち合いなど力で真っ向勝負。その後も秋山がエクスプロイダーを出せば、竹下がザーヒーで返すなど緊張感のある戦いが繰り広げられた。試合は飯野が岡谷にスピアを決め、勝利した。

秋山は「でかくなったな小僧。1発1発当たりも強い」と4年ぶりの竹下の成長を実感。その上で「お前はDDTの何なんだ。それが分かったらすごい選手になる。(元DDTで現新日本の)飯伏くんのようにメジャーに行くのではなく、DDTにいてメジャーと肩を並べろ。ただ、今のままじゃダメだ。お前はDDTの何なんなのかを自分で考えろ」と発破をかけた。

この日秋山は旧入場曲「Shadow explosion」で登場した。「僕が1番カッカと前に出ていた時の曲。それでいこうと思った」と新たな門出に気持ちを込めた。