思い出の地で、内藤哲也(38)がリベンジに成功した。7月にIWGPヘビー、同インターコンチネンタル王座を奪われた2冠王者EVIL(33)に挑戦。相手セコンドのディック東郷、外道の介入に苦しむも、20分過ぎに同門のBUSHI、SANADAが助けに入り、1対1の状況を作り出すと、最後は必殺のデスティーノで3カウントを奪い取った。

神宮での興行は、グレート・ムタとグレート・ニタが電流地雷爆破戦を行った99年8月28日以来、21年ぶり。当時、高校生だった内藤はチケットを購入し、レフトスタンドで観戦した。バックステージに戻ると「21年前のことを思い出しながら試合をした。ベルトはレンタル期間が終了しただけ」と余韻に浸った。

4万8000人を集客した当時とは異なり、この日は、5000人以下の制限が設けられた。8月の米ニューヨーク大会が中止となるなど、新型コロナウイルスの感染拡大は、プロレス界にも大きな影響を及ぼしている。

それでも、業界をけん引する1人として、あらためて存在感を示し「いろんな困難があるが、その先に明るい未来が待っていると信じて、これからもリングに立ちたい」と力を込めた。9月19日のG1開幕を前に、内藤が主役の座に返り咲いた。【奥山将志】