10月31日(日本時間11月1日)に米ラスベガスで防衛戦を行うWBA、IBF世界バンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)について、大橋秀行会長が5日、オンラインで取材に対応し、井上の現状について「スパーリングを見ていても完璧に近い状態」と充実ぶりを明かした。

同門の松本亮、松本圭佑、桑原拓らを相手に、4~5ラウンドのスパーリングを週3回程度行い、試合に備えている。減量についても「世界戦もかなりやっているし、キャリアもある。海外も3戦目なので(調整も)慣れていると思う」と説明した。

当初は、4月にWBO同級王者ジョンリール・カシメロとの対戦が予定されていたが、コロナ禍の影響などもあり、WBO同級1位モロニー(オーストラリア)に変更となった。大橋会長は「変則な相手が正統派に変わった分、不安はない。(コロナ禍で試合の決定が遅れたが)モチベーションも一切変わらず、気持ちの面での心配は何もない。スパーリングの通りにやれば問題ないと思っている」と話した。

大橋会長は、今回の試合のファイトマネーについても言及。当初、カシメロ戦で提示を受けていた「100万ドル」と同額になるとし、「この状況下ですごい金額だが、ここがスタート。いい試合をして勝っていけば、(さらに)上がっていく。日本人が経験していない、子どもたちにとっても夢のある金額になっていくと思う」と説明した。

ラスベガスには18日に渡米予定で、現地では弟の元WBCバンタム級暫定王者・拓真を相手に最終調整する方針。「日常にストレスがたまらない」ために、7月に引退した、いとこの元日本スーパーライト級王者井上浩樹さんも陣営として同行するという。