「異例調整」も万全でリングに立つ。大橋ボクシングジムの大橋秀行会長(55)が15日、オンラインで取材対応し、10月31日(日本時間11月1日)に米ラスベガスで防衛戦を控えるWBA、IBFバンタム級統一王者井上尚弥(27=大橋)について、「いつも通り、すべてがそろった完璧な状態」と近況を報告した。

WBA同級2位、IBF同級4位のモロニー(オーストラリア)との防衛戦に向け、井上は17日に国内での調整を打ち上げ、18日に渡米予定。試合決定後は、新型コロナウイルス対策と調整に集中するため、練習は一切公開せず、前週からは、父の真吾トレーナーやスパーリングパートナー以外は、井上の練習時間にジムに入館できない状態の中で準備を進めてきた。

井上は、16日にPCR検査を受け、現地でも厳しい行動制限のもと、複数回のPCR検査が義務づけられている。試合4日前からは「バブル」と呼ばれる隔離空間で過ごすことになる。試合直前まで、通常とは異なる調整が求められるが、大橋会長は「いつもと違う緊張感はあるが、それは相手も同じ。尚弥はそれを楽しんでいる」と強調。愛弟子のラスベガス初陣に「もう1つ上の伝説のスタートになる」と力を込めた。

井上は同日、所属ジムを通じ「土曜日で日本でのスパーリングを終えますが、納得のいく練習ができました。体重も予定通りいってるので、この調子でラスベガスに乗り込み、最高の試合をみせます」とコメントを出した。「怪物」が、心身をとぎすませ、ゴングに備えていく。【奥山将志】