KOPW初代王者の矢野通(42)がザック・セイバーJr.(33)のリングアウトで勝利し、防衛に成功した。

お騒がせ男が“頭脳プレー”でタイトルを守った。2日の後楽園大会後、矢野がリングに登場し、コーナーパッドをすべて外した状態で試合を行う「ノーコーナーパッドマッチ」を提案し、ルールが変更された。ところがゴング前に怖くなったのか、コーナーパットを戻そうとする意味不明の行動を見せた。もちろん受け入れられるはずもなく試合開始。「痛いし、怖い。金具むき出しのコーナーを使わないで。俺も使わないから」と言いながらも、いきなり約束を破り、セイバーJr.をコーナーに送り込んだ。だが、作戦は簡単に読まれ、不発。逆にすべてのコーナーにたたきつけられ「痛い」を連呼した。

劣勢の展開が続く中、靴ひもで勝利を呼び込んだ。場外に逃げた矢野は、鉄柵に足をたたきつけられ、鉄柵越しのヒールホールドで苦しめられた。ところが顔をしかめながら、見えないところでセイバーJr.の両足の靴ひもを結んでいた。場外カウントが始まったが、セイバーJr.は鉄柵に足が絡まり、戻れず敗戦。してやったりの矢野は試合後「セイバーJr.くん、このトロフィーはそんなに甘かねえんだよ。お前が思っているほど簡単に取れねえんだ、バカ野郎」と言い放った。勝ち試合を落としたセイバーJr.は靴ひもを切ったはさみを片手に「こんなふざけた試合がオープニングマッチでいいのか。こうなったら本気でKOPW王者の座を狙ってやる」と怒りをあらわにした。