「カネロ」の愛称を持つWBA世界スーパーミドル級正規王者サウル・アルバレス(30=メキシコ)が王座統一に成功した。27勝(19KO)無敗を誇った同スーパー王者カラム・スミス(30=英国)を3-0の判定で撃破。WBC正規王座も手にしたアルバレスは「自分にとって最高の夜、最大の戦いの1つだった。もっといくぞ」と力強く宣言した。

17年ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ同級覇者でもあるスミスよりも身長で18センチ、リーチも17センチ劣るアルバレスだが、絶妙な踏み込みから左ジャブ、右アッパーを打ち込み、何度もロープ際に追い込んだ。そのままプレッシャーをかけつづけ、強烈な右オーバーハンド、左フック、右ボディーをねじ込んだ。最終12回にも左ジャブから右ストレート、右フック連打とグイグイと前に出て身長差、リーチ差を感じさせないファイトをみせた。

アルバレスにとって昨年11月2日、WBO世界ライトヘビー級王者セルゲイ・コバレフに挑戦し、11回TKO勝ちを収めて以来、約1年1カ月ぶりのリングだった。WBA世界ミドル級スーパー、WBC世界同級フランチャイズ王座も保持。米老舗ボクシング誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級超越した最強王者)ランキングで1位となる。

21年には、IBF世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(38=カザフスタン)との3度目対決の期待が膨らんでいる。アルバレスは「自分は誰からも逃げない。すべてのベルトが欲しい」と自信を示した。