岩谷麻優(27)が、相手の持ち込んだ新兵器を打ち砕いた。

10周年スペシャルマッチとして鹿島沙希(27)と対戦。途中コーナーに上った際に、鹿島のセコンドに付いていた刀羅ナツコから手錠をかけられ、ロープに固定されるまさかの展開。「最悪~」と叫んだ次の瞬間、気合で引きちぎった。その後の鹿島の起死回生を、掟破りの逆・起死回生で返し、3カウントを奪った。試合後「もっと丈夫なヤツを持ってこないと」と忠告した。

動揺を狙った挑発には乗らなかった。いつもは黒い衣装を身にまとう鹿島が、岩谷と同ユニットSTARS時代の明るいコスチュームで登場。岩谷は「あれっと思った。STARSに戻ってくるのかなと」と疑問に思ったが、刀羅が暴れ始め、場外戦が勃発。岩谷もすぐに切り替え、鹿島を沈めた。

今月10周年を迎えたスターダムを立ち上げから支えてきた岩谷。3月3日には記念大会を初の日本武道館で行う。同大会では、かつて所属していた世志琥(SEAdLINNG)との対戦が濃厚。昨年12月の試合後に乱入してきた世志琥から挑戦状をたたきつけられ、今月22日、敵地に乗り込み「日本武道館の最高の舞台を用意する」と受けて立つ意志を見せた。現在ベルトは保持していないが、今月5日には2年連続で東京ドーム大会に出場するなど、輝きを放ち続けている。「ここから自分がどう巻き返すのか、ベルトがなくても岩谷麻優の存在感を出していきたい」と話すスターダムのアイコンが、3月3日、日本武道館の主役になるため、まい進していく。【松熊洋介】