大谷晋二郎(48)がプロレスができる喜びと、選手、スタッフ、観客、すべての人への熱い思いを語った。
緊急事態宣言の影響で大会が延期、中止となり、1月1日以来、約1カ月ぶりの興行。メインの試合に勝利後マイクを取った大谷は「大変な毎日を送ってくれている中、来てくださったお客さま、ありがとうございました」と叫んだ。
3月14日に開催予定だった20周年記念大会(両国国技館)も、大相撲春場所が両国開催となったことにより、来年に延期。大会が激減する中でも決して下を向かない。「遠征も試合も現状は少ないけど、(やるときは)危険を承知で開催するのではなく、安全対策をしっかりした上で、勇気と希望を与える大会にする。プロレスとはそういうスポーツ」と熱量は誰にも負けない。
団体の幹部でもある大谷の魂は選手、スタッフにも浸透している。普段からチケット売りや営業に奔走。「今大会のために死力を尽くしてくれた」と久しぶりの興行を喜んだ。大谷もチケットを頼んだお客さんを出迎えるなどして応えた。来場できない知人からは「行けなくてごめん。頑張ってね」とエールをもらい、来てくれたお客さんからは「大変な時期だからこそ来た」と熱い言葉をかけられた。
万全ではない経営状態ながら、常にチャリティー活動に力を入れてきた。いじめに悩む人や、被災者への支援に加え、昨年5月からは「お助け隊」と称して高齢者の買い物のお手伝いや、弁当の配送を行っている。今年1月からは抗原検査キットの販売も始めた。練習後に自ら運転し、配送することもある。「注文があればいつでも。自分たちにできることがあれば、何でもやる」と、力持ちのレスラーたちが、積極的に人助けを行っている。
リングのゼロワンのマークを見て「感無量だった」とその上に、大の字に寝転んだ。「温かい、心にしみる、裏切らない皆さんの思いを大切にしていきたい」。厳しい環境の中、心強い支えを受けながら、これからもリングに立ち続ける。【松熊洋介】

