2月28日大阪大会で、代名詞のモンゴリアンチョップを解禁した天山広吉(49)が、因縁の相手O・カーンに「真モンゴリアンチョップ」をさく裂させた。小島、ワトと組み6人タッグマッチに出場。1月30日の試合で敗れ、封印させられた恨みを晴らした。

まずはO・カーンが小島にモンゴリアンチョップを浴びせ「どうだ」と言わんばかりに天山をにらみ付けた。挑発を受けた天山は、変わってリングに入ると、O・カーンに突進。両手を思いっ切り振り下ろし、本家のモンゴリアンチョップを披露した。

約束とはいえ、苦しんだ1カ月間だった。条件反射的に動く体を必死に止めた。何の躊躇もなく使うのを見ながら「何でよりによって俺の技をやるのか」と自暴自棄になることもあった。「気にくわなかったが、まんまと乗せられたのかも」。心が折れ、落ち込み続ける中、小島や棚橋ら低迷期を一緒に支えてきた仲間からも励まされ、2月28日にようやく解禁。「スッキリした」と気持ち新たにデビュー30周年の再スタートを切り「嘘偽りのない」気持ちを技に込めた

試合には敗れたが、気持ちは7日のニュージャパンカップ1回戦の相手、オスプレイに向いている。あいさつがわりの真モンゴリアンチョップを見舞い「今ごろになって燃えてきやがって。上等じゃ」と一蹴。09年に手術した首のケガも良くなり、調子は上向きだ。「チャンスをつかんだら逃さない」。50歳での初優勝をつかんだその先には、IWGP世界ヘビー級のベルトが待っている。【松熊洋介】