GHCナショナル王者の拳王(36)がケンドー・カシンに勝利し、6度目の防衛に成功した。

「ある意味今までで1番怖かった。侮るもんじゃねえな」。油断していたからか、思った以上にパワーのあるカシンに苦しめられた。拳王のお株を奪うような絞め技や強烈な蹴りを浴びたが、最後はプロフェッショナルフットスタンプで3カウントを奪った。

2月12日の日本武道館大会後に挑戦表明を受けた。「夢をかなえるために来た。俺がプロレス界に入ったのはそのベルトを奪うためだ」。GHCナショナルは設立されてわずか1年半。つじつまの合わないことを平気で話すカシンを無視していたが、その後の大会などでカシンと思われる覆面男に4度も襲撃を受けた。2月24日の前哨戦こそ、やり返したが、4日の記者会見、前日6日の大会では警戒しながらも不意打ちを食らった。「悪魔仮面」と呼ばれるだけに、一筋縄ではいかず、前哨戦ではリングも含めて“完敗”していたが、本番でしっかり借りを返した。

試合後マイクを取った拳王は「ケンドー・カシンもある意味強かった。だが、俺は本当の意味でめちゃくちゃ強くなりたい」とセコンドにいた藤田和之を次期挑戦者に指名した。夢である「満員の日本武道館」までベルトは渡さない。【松熊洋介】