勝利目前の暗転でまさかの逆転負けを喫した。ニュージャパンカップ準々決勝で、矢野通(42)が、前年度覇者のEVILに敗れ、4強進出はならなかった。

矢野は、相手セコンドのディック東郷から奪った鉄製のワイヤでEVILを締め上げると、そのままリングの下に放り込んだ。場外カウントが数えられ、勝利を確信した矢野は両手を挙げ、笑顔を見せた。ところがカウント18で突然暗転。「なんだ、おい?」と叫ぶ矢野。明かりがついた瞬間、背後からEVILに襲われ、得意技のEVILで3カウントを奪われた。実は直前に東郷が会場を去り、スイッチの方へ行く姿が目撃されていた。巧みな“連携技”に屈した矢野は、リング上で立ち上がることができなかった。

東郷を排除できなかったことが響いた。ゴングが鳴ると、いきなり場外に逃げ「(東郷を)下げろ」とレフェリーに向かって叫んだが、受け入れられず。逆に場外カウントを数えられ、リングに戻ったところで先制攻撃を食らった。その後も連携技に苦しめられ、流れをつかむことができなかった。終盤、ワイヤを奪ったところまでは良かったが、最後は残っていた東郷にライトを消されてしまい、目前で勝利を逃した。

初戦はコーナーの鉄柱にテーピングで固定されながら、急所一撃でファレに勝利。2回戦はO・カーンの髪を鉄柵に結び付け、その後の急所蹴りで破った。毎試合コーナーパッドを外し、相手を挑発するなど、巧みな技を駆使しながら勝ち上がってきた矢野だったが、今回は相手の策にまんまとはまってしまった。【松熊洋介】