IBF世界スーパーバンタム級暫定王者岩佐亮佑(31=セレス)が、王座統一で2冠奪取に失敗した。

IBF&WBAスーパー世界同級王者ムロジョン・アフマダエリエフ(26=ウズベキスタン)との統一戦。19年に奪取以来1年4カ月ぶりの初防衛戦で、レフェリーリーストップによる5回1分30秒TKO負けを喫した。日本人として旧ソ連での世界戦は5戦全敗となり、5人目の2団体統一王者の座も逃した。

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あっけない幕切れだった。岩佐は5回に左アッパーからの連打にロープまで追い込まれると、あっさりレフェリーが割って入った。早いストップに岩佐は苦笑いも、手が出ずに防戦一方だった。

海外は3連続4戦目で、過去3敗はすべて左も前回はTKO奪取した。岩佐は「海外経験はあるし、左の鬼門は突破した」と自信を見せていた。相手はプロ初の凱旋(がいせん)試合で、国挙げての興行に大観衆。レフェリーはロシア人と完全アウェーだった。

「あっけなく止められた。あそこまで想定できなかったのは自分の落ち度。アウェーに慣れて、アウェーを忘れていた」と反省が口をついた。

2回から圧力に手数も少なくペースをとられた。「前半は耐えてと思っていた」が「勢いづかせない」作戦を遂行できず。左目周囲に赤いあざが残る。「今までで一番のパンチ力。5回は効いてひるんだのは確か」と相手の実力を認めた。

髪をマゲのように束ねたヒゲ面で、ガウンは着物を模した。サムライ魂で挑んだ「人生で一番大きな試合」で、WBC王者ネリに山中のあだ討ちの野望も、アウェーの洗礼に砕かれた。「正直もう少しやらせてほしかった。少し休みます」とのコメントを残した。