NEVER無差別級6人タッグ選手権試合は、YOSHI-HASHI(38)、石井智宏(45)、後藤洋央紀(41)組が、石森太二(38)、高橋裕二郎(40)、KENTA(40)組に勝利し、最多タイとなる4度目の防衛に成功した。

最後にリングに立っていたのは後藤だった。前日の前哨戦で敗れた石森を頭突きでふらつかせると、自らの右膝に相手の背中を打ち付ける必殺技、GTRを決め、たまった鬱憤(うっぷん)を晴らした。勝利後、マイクを取り「コロナでこんな時代になったが、また超満員の後楽園ホールを見るまでは俺たちは負けない。また大歓声をもう1度聞くまでは、プロレスは負けない」と集まったファンに向けて、力強くメッセージを届けた。

19日の前哨戦ではあと1歩の所まで追い込みながら、石森に逆さ押さえ込みで逆転負け。「何の言い訳も思い付かない」と珍しく弱気な発言で肩を落とした。この日も痛めた左腕の影響からか、序盤から10分近くも相手に捕まり、集中攻撃を受けた。それでも石井のアシストもあり、豪快なラリアットから、ヘッドロックで流れを引き寄せた。中盤には石森が、レフェリーの目を盗み、ロープに足をかけてフォールする反則を仕掛けたが、カウント2でしっかり返し、その後の連携技につなげた。

4度目の防衛を果たし、真壁、矢野、田口組と並んで歴代最多タイとなった。YOSHI-HASHIがKENTAに奪われていた「棒」も返ってきた。「勝ったのは俺たち。それが事実。試合を見たお客さんが、明日への活力になってくれたら」。結束を強めた3人は、最多防衛に向け、これからも真っ向勝負で立ち向かう。【松熊洋介】