IWGPジュニアヘビー級王者エル・デスペラードが、挑戦者YOHを破り、初防衛に成功した。

昨年手術を受けたYOHの左膝を集中して攻めた。場外ではレフェリーの目を盗み、パイプ椅子で殴打。リング上でも、ニークラッシャーやボディプレスで痛めつけた。最後は我慢比べとなったが、ピンチェ・ロコを豪快に決め、3カウントを奪った。勝利後、「YOH、思ったよりやるじゃん」と余裕のコメント。ただ、メインのIWGP世界ヘビー級に次いで、セミファイナルに試合が組まれなかったことに対しては「ジュニアも命張ってる。タイトルマッチの方が上だ、コノヤロー」と怒りをあらわにした。

今年2月、王者だった高橋ヒロムがケガによりベルト返上。急きょベルトを掛けて3WAYマッチが行われ、ファンタズモ、BUSHIとの戦いを制し、デスペラードが新王者となった。4月にYOHから挑戦表明を受け、5月4日に初防衛戦を迎えるはずだったが、前日3日に発熱者が出て中止に。その後、新日本から新型コロナウイルス陽性者がいたことが発表され、同26日にSNSで自らも感染を公表。「39度台の発熱・寝ていられないほどの腰痛・信じられないレベルの倦怠(けんたい)感」と辛い症状を明かした。

回復に時間がかかり、今月1日の復帰後、リングに上がったのはわずか2回。それでも「頭と体がつながってきた」と回復をアピール。この日も軽快な動きでYOHを圧倒した。バックステージではファンに向かって「(コロナに感染すると)死ぬほどキツいぞ。ただの風邪だと思っていたら痛い目見るぞ」と注意を促した。

次の防衛戦には石森が挑戦表明。拍手で応えたデスペラードは「血眼で狙ってるんだろ。試合が終わった途端に、挑戦者が出てくる。こんな刺激的なことなかなかない」と快諾。この日解説を務めた高橋は、練習を再開できるほどに回復していることを明かした。自分を「暫定チャンピオン」と感じているデスペラード。対戦を望んでいる高橋が復活するまで負けられない。