格闘技イベントRIZIN28大会。東京ドームでの総合格闘技の大会は18年ぶり。夢の祭典がいよいよ開幕した。


朝倉未来(28=トライフォース赤坂)が、クレベル・コイケ(31=ボンサイ柔術)に2回1分51秒、三角絞めで一本負けした。

相手の得意な寝技に持ち込まれ、総合格闘技18年ぶりの開催となった東京ドーム大会を、勝利で締めることはできなかった。


第2試合では、シビサイ頌真(30=パラエストラ東京/巌流島)が国内ヘビー級の“頂上決戦”を制した。

ここまで3戦無敗だった元十両・貴ノ富士のスダリオ剛(24=フリー)と対戦。3回1分過ぎ、シビサイは足取りでテークダウンを奪う。1分38秒、リアネイキッドチョークで首をしめあげたスダリオからタップを奪って勝利した。


第7試合では、朝倉海(27=トライフォース赤坂)が第一人者の実力を示した。

渡部修人(32=ストライプル新百合ケ丘)と対戦。立ち技で不利とみた渡部が組み技で挑む。テークダウンを奪い、首をきめかけたが朝倉海は逆にマウントを奪い、ぶち殴り。3分過ぎ、レフェリーが試合を止めた。


第9試合には那須川天心(22=TARGET/Cygames)が登場。大崎孔稀(21=OISHI GYM)、HIROYA(29=TRY HARD GYM)、そして登場で明かされた「X」こと所英男(43=リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)の3選手(1回3分×3人)と対戦した。

途中、ダウンは奪ったものの、KOすることはできなかった。 ボクシングルールや、体重差など那須川にとって不利な条件だったが、3選手と真っ向勝負を挑んだ。


第10試合

<総合ルール>


朝倉未来×一本
2R1分51秒
クレベル・コイケ

朝倉未来(28=トライフォース赤坂)が、クレベル・コイケ(31=ボンサイ柔術)に2回1分51秒、三角絞めで一本負けした。

相手の得意な寝技に持ち込まれ、総合格闘技18年ぶりの開催となった東京ドーム大会を、勝利で締めることはできなかった。

1回にも捕まったが、何とか回避。その瞬間に左右のパンチを浴びせ、相手をふらつかせたが、その後一気に追い込むことはできなかった。2回に入ると、相手の細かい蹴りで距離を詰められ、コーナーに追い込まれ、捕まってしまった。 今回、寝技に強いクレベルとは打撃戦に持ち込みたいと考えていた。KOにはこだわらず、フィニッシュ率の高い相手に「理想の展開は、テイクダウンを1度も取られないでの判定勝ち」と予想していたが、グラウンド技術の高いクレベルに屈してしまった。

クレベル(左)に攻められ、三角絞めで敗れた朝倉未来(撮影・菅敏)
クレベル(左)に攻められ、三角絞めで敗れた朝倉未来(撮影・菅敏)
クレベル(左)に三角絞めで敗れる朝倉未来(撮影・菅敏)
クレベル(左)に三角絞めで敗れる朝倉未来(撮影・菅敏)
クレベル(左から2人目)に三角絞めで敗れた朝倉未来(撮影・菅敏)
クレベル(左から2人目)に三角絞めで敗れた朝倉未来(撮影・菅敏)
クレベル(右端)に三角絞めで敗れた朝倉未来は、肩を落とす(撮影・菅敏)
クレベル(右端)に三角絞めで敗れた朝倉未来は、肩を落とす(撮影・菅敏)
クレベルに敗れた朝倉未来は、目の上を腫らし引き揚げる(撮影・菅敏)
クレベルに敗れた朝倉未来は、目の上を腫らし引き揚げる(撮影・菅敏)

第9試合

<スペシャルマッチ特別ルール>


那須川天心 判定なし
3R
 大崎孔稀、HIROYA、X=所英男

3人を相手しても「神童」だった。那須川天心(22=TARGET/Cygames)が、大崎孔稀(21=OISHI GYM)、HIROYA(29=TRY HARD GYM)、そして登場で明かされた「X」こと所英男(43=リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)の3選手(1回3分×3人)と対戦した。

途中、ダウンは奪ったものの、KOすることはできなかった。 ボクシングルールや、体重差など那須川にとって不利な条件だったが、3選手と真っ向勝負を挑んだ。1人目の大崎から激しい打ち合いが続いた。数発浴びたものの、手数では圧倒した。

2人目のHIROYAにはガードを固められたが、最後に右アッパーからの左ボディでダウンを奪った。3人目の所には効果的なパンチでふらつかせる場面も。最後まで追い詰めたがダウンを奪うことはできなかった。 試合後「賛否があって、自分もドキドキした。テレビで格闘技が放送されるというのでやることを決めた」と語った。

来年3月にボクシングに転向する。この日に予定されていた武尊との決戦は、武尊のケガにより延期となった。残り3戦。「大みそかがRIZINでは最後の大会になる」と自らの言葉で伝えた。「挑戦していかないといけない。絶対にボクシングで世界チャンピオンになります。みなさん、僕に夢を託して下さい」と熱い思いを語った。

登場する3人目のXの所(撮影・菅敏)
登場する3人目のXの所(撮影・菅敏)
大崎(右か3人目)、HIROYA(左端)、所(右から2人目)の視線を受けながらリングに登場する那須川(撮影・菅敏)
大崎(右か3人目)、HIROYA(左端)、所(右から2人目)の視線を受けながらリングに登場する那須川(撮影・菅敏)
1人目の大崎(左)にパンチを浴びせる那須川撮影・菅敏)
1人目の大崎(左)にパンチを浴びせる那須川撮影・菅敏)
2人目のHIROYA(右)にジャンプしながらパンチを浴びせる那須川(撮影・菅敏)
2人目のHIROYA(右)にジャンプしながらパンチを浴びせる那須川(撮影・菅敏)
3人目の所(右)の頭部にパンチをさく裂する那須川(撮影・菅敏)
3人目の所(右)の頭部にパンチをさく裂する那須川(撮影・菅敏)

第8試合

<総合ルール>


トフィック・ムサエフ×一本
1R1分12秒
ホベルト・サトシ・ソウザ

ライト級王者決定戦は、ホベルト・サトシ・ソウザ(31=ボンサイ柔術)が、トフィック・ムサエフ(31=ORION FIGHT CLUB)を1回1分12秒、三角絞めによる一本勝ちで勝利を収め、初代王者に輝いた。

一瞬の出来事だった。開始数十秒でいきなり襲いかかり、ムサエフを捉えると、そのまま得意の寝技に持ち込み、相手に逃げるスキを与えなかった。

試合後はリング上でベルトを受け取ると号泣。「本当にうれしい。私のチームや家族は自分を信じてくれた。今日もたくさん応援に来てくれた。本当にありがとう」とボンサイ柔術の仲間たちに感謝した。

ムサエフ(左)に三角絞めを決めるソウザ(撮影・菅敏)
ムサエフ(左)に三角絞めを決めるソウザ(撮影・菅敏)
ムサエフに勝利し、雄たけびを上げるソウザ(撮影・菅敏)
ムサエフに勝利し、雄たけびを上げるソウザ(撮影・菅敏)
ムサエフに勝利し、コーナーに上がり雄たけびを上げるソウザ(撮影・菅敏)
ムサエフに勝利し、コーナーに上がり雄たけびを上げるソウザ(撮影・菅敏)

第7試合

<総合トーナメントルール>


朝倉海KO
1R3分22秒
×渡部修斗

朝倉海(27=トライフォース赤坂)が第一人者の実力を示した。

渡部修人(32=ストライプル新百合ケ丘)と対戦。立ち技で不利とみた渡部が組み技で挑む。テークダウンを奪い、首をきめかけたが朝倉海は逆にマウントを奪い、ぶち殴り。3分過ぎ、レフェリーが試合を止めた。

試合後のマイクパフォーマンスで、朝倉海は「東京ドーム、最高すぎて気合入りました。このトーナメント、絶対に僕が優勝することを約束します」と高らかに優勝宣言した。

渡部(右)の腹部にパンチを見舞う朝倉海(撮影・菅敏)
渡部(右)の腹部にパンチを見舞う朝倉海(撮影・菅敏)
渡部(下)にパンチの連打を浴びせKOする朝倉海(撮影・菅敏)
渡部(下)にパンチの連打を浴びせKOする朝倉海(撮影・菅敏)
渡部(左端)をKOで破る朝倉海(撮影・菅敏)
渡部(左端)をKOで破る朝倉海(撮影・菅敏)
渡部をKOで破り、ファンの拍手に応える朝倉(撮影・菅敏)
渡部をKOで破り、ファンの拍手に応える朝倉(撮影・菅敏)
朝倉海対渡部戦のリングアナを務める中川翔子(撮影・菅敏)
朝倉海対渡部戦のリングアナを務める中川翔子(撮影・菅敏)

■朝倉海(27=トライフォース赤坂)「東京ドーム、最高すぎて気合が入りました。昨年の大みそか、みなさんの期待を裏切ってしまったんですけど、また強くなって戻ってきました。このトーナメント、僕が絶対に優勝することを約束します」

■渡部修斗(32=ストライプル新百合ヶ丘)「自分が思っていた結果にならなかったが、落ち着いて試合をできた。今までで一番緊張しなかった。いつも通りの自分が出せたかなというのが率直な印象。(朝倉海は)自分がわざと寝技に誘ったが、来なかったので、自分のやることを徹底していて、すごく冷静だから強いのかなと。いろいろ考えていて、すごく頭のいい選手だなと感じた」


第6試合

<総合トーナメントルール>


石渡伸太郎×KO
1R1分58秒
井上直樹

パンチを顔面に受け倒れ込んだ石渡(左)を蹴り上げる井上(撮影・菅敏)
パンチを顔面に受け倒れ込んだ石渡(左)を蹴り上げる井上(撮影・菅敏)
石渡(左)をTKOで勝利する井上(撮影・菅敏)
石渡(左)をTKOで勝利する井上(撮影・菅敏)
石渡(左)をTKOで勝利しガッツポーズを見せる井上(撮影・菅敏)
石渡(左)をTKOで勝利しガッツポーズを見せる井上(撮影・菅敏)

■井上直樹(23=セラ・ロンゴ・ファイトチーム)「次の選手は強い選手とやりたい。誰でもいい。(最初にパンチをもらったが)自分は効いていないかと思ったが、後で映像を見たら意外と当たっていた。でも冷静だったし、目も見えていた。(最後は)普通にパンチを合わせた。(石渡は)もっとガンガンくるのかなと思っていたが、結構落ち着いているという印象だった」


第5試合

<総合トーナメントルール>


扇久保博正判定
3-0
×春日井“寒天”たけし

春日井(右)にハイキックを見舞う扇久保(撮影・菅敏)
春日井(右)にハイキックを見舞う扇久保(撮影・菅敏)
判定で春日井(右)を破り、笑顔を見せる扇久保(撮影・菅敏)
判定で春日井(右)を破り、笑顔を見せる扇久保(撮影・菅敏)

■扇久保博正(34=パラエストラ松戸)「いい試合ができなかったので、ダメだったかな。1発目のフックで右手が折れちゃって、あの戦い方しかできなかった。爆発させてやろうと思ったけど、勝つのに必死だった。デビューが北沢タウンホールで、(東京ドームは)感慨深いものはあるが、この舞台に立てるのは数少ないと思うので、もっと自覚を持って戦いたい」

■春日井“寒天”たけし(32=志村道場)「思っていたとおり(扇久保は)強かった。夢のような時間を過ごせた。ありがとうございました。今後は考えられない」


第4試合

<総合トーナメントルール>


元谷友貴判定
3-0
×岡田遼

DEEP王者の元谷友貴(31=フリー)が修斗王者の岡田遼(32=パラエストラ千葉)を判定3-0で下した。

立ち技の戦いではお互いに決め手を欠いた。元谷は最終3回に思い切って前に出て勝負にいった。そのポイントで、微妙な勝負を支持された。

試合後は「トーナメント1回戦突破できたのでうれしい。思ったより緊張なく、開放的でよかった。戦いたい選手は特にいない。1つずつ勝っていきたい」と話しつつ、「今回は決着できなかったので見せ場を作れるいい試合をしていきたい」と反省も忘れなかった。

敗れた岡田は「修斗王者として負けて、送り出してくれた人に合わせる顔がない。(元谷は)戦う前から好きな選手だったので、印象は変わらない。いい男でした」とし、今後には「修斗の関係者に謝りにいこうと思っている。ファンに申し訳ない」と話した。

岡田(左)にキックを見舞う元谷(撮影・菅敏)
岡田(左)にキックを見舞う元谷(撮影・菅敏)

■元谷友貴(31=フリー)「思ったより緊張なく、開放的でよかった。戦いたい選手は特にいない。1つずつ勝っていきたい。今回は決着できなかったので見せ場を作れるいい試合をしていきたい」

■岡田遼(32=パラエストラ千葉)「修斗王者として負けて、送り出してくれた人に合わせる顔がない。(元谷は)戦う前から好きな選手だったので、印象は変わらない。いい男でした」


第3試合

<総合ルール>


斎藤裕 判定
2-1
×ヴガール・ケラモフ

倒れ込んだケラモフ(右)にキックを見舞う斎藤(撮影・菅敏)
倒れ込んだケラモフ(右)にキックを見舞う斎藤(撮影・菅敏)

■斎藤裕(33=パラエストラ小岩)「紙一重だったが、後半になるにつれて良かった。東京ドームは広いなと思ったけど、リングは変わらないので、気にならなかった。今日勝てたので、次は防衛戦をしっかりやりたい。(勝利のポイントは)ケラモフが後半になるにつれて力も落ちてくると思っていて、諦めずに動き続けようとしたのが良かった」


第2試合

<総合ルール>


シビサイ頌真 一本
3R1分38秒
×スダリオ剛

シビサイ頌真(30=パラエストラ東京/巌流島)が国内ヘビー級の“頂上決戦”を制した。

ここまで3戦無敗だった元十両貴ノ富士のスダリオ剛(24=フリー)と対戦。3回1分過ぎ、シビサイは足取りでテークダウンを奪う。1分38秒、リアネイキッドチョークで首をしめあげたスダリオからタップを奪って勝利した。

シビサイは、元力士のスダリオとの対戦を前に自身の強みである柔術の要素を強化してきたと明かしていた。その言葉通り、相撲にはない“寝技”に持ち込んでの快勝。「苦しい試合だったけど、気持ちを切らさず戦えた。(スダリオは)強かった。ヘビー級で1発1発が重いし、気が抜けなかった。殴っても前に出てくるし、倒れない選手だった」と振り返る。

今後について「ヘビー級は国内はみんな仲間だと思っている。世界と戦っていきたい」と語った。

シビサイ(左)の強烈なパンチを食らうスダリオ(撮影・菅敏)
シビサイ(左)の強烈なパンチを食らうスダリオ(撮影・菅敏)
シビサイに敗れ、肩を落として引き揚げるスダリオ(撮影・菅敏)
シビサイに敗れ、肩を落として引き揚げるスダリオ(撮影・菅敏)
スダリオに勝利し、スタンドのファンを指さすシビサイ(撮影・菅敏)
スダリオに勝利し、スタンドのファンを指さすシビサイ(撮影・菅敏)

■シビサイ頌真(30=パラエストラ東京/巌流島)「苦しい試合だったけど、気持ちを切らさず戦えた。(スダリオは)強かった。ヘビー級で1発1発が重いし、気が抜けなかった。殴っても前に出てくるし、倒れない選手だった」


第1試合

<総合ルール>


弥益ドミネーター聡志 判定
2-1
דブラックパンサー”ベイノア

第1試合は、サラリーマンファイター弥益ドミネーター聡志(31=team SOS)が、“ブラックパンサー“ベイノア(25=極真会館)に判定2-1で勝利した。

立ち上がり、極真空手出身のベイノアに対し、寝技での戦いを求めたが、相手にされなかった。

右ストレートを浴びてからは防戦一方の展開。それでも2回以降は相手の懐に飛び込み、ロープ際に追い込むと、寝技の展開に持ち込み、ダメージを与え続けた。途中ベイノアが、2度の故意にロープをつかむ反則を取られ、レッドカードとなったこともあり、判定勝ちとなった。

RIZIN初参戦となった昨年大みそかの朝倉未来戦では、得意のステップから右膝の蹴りを浴びせたが、1回4分20秒でKO負け。年末の仕事が忙しい中、仲間のサポートもあり、休日出勤しながら仕事を終わらせ、試合に備えたが、勝利を持ち帰ることはできなかった。「楽しくてしょうがなかった。またこんな夢のような時間があればいい」と号泣していた。見事2戦目でリベンジを果たし、今度は喜びの笑顔と涙を見せた。

試合前から“トークバトル”も繰り広げた。1日の会見では、仕事によりビデオメッセージでの出場となったが「キックボクシング王者のベイノア選手が、老舗MMA団体の元王者を相手に選ぶという、並外れたリスクマネジメント能力の低さ、リテラシーの欠如によって出場機会をいただけた」と軽く挑発。

後に「ちゃんと出て話した方が良かった」と納得はいかなかったようだが、芸人としても活動するベイノアには十分な“ダメージ”を与えた。 「支配者」を意味する名前のドミネーターはDEEP時代に、マネジャーが付けたという。「最初は恥ずかしかったが、いまさら引っ込みが付かない感じ。最近は愛着も湧いてきた」と話す。「会社員としてのプライドもある」。リングを“支配”とまではいかない内容だったが、弥益が悲願の勝利を手にした。

弥益ドミネーター聡志(右)にキックを見舞う“ブラックパンサー”ベイノア(撮影・菅敏)
弥益ドミネーター聡志(右)にキックを見舞う“ブラックパンサー”ベイノア(撮影・菅敏)
判定でドミネーター聡志(左)に敗れ、頭を下げる“ブラックパンサー”ベイノア(撮影・菅敏)
判定でドミネーター聡志(左)に敗れ、頭を下げる“ブラックパンサー”ベイノア(撮影・菅敏)