高さ控えめ「天保山アッパー」で仕留める-。

RIZIN29大会(27日、丸善インテリックアリーナ大阪)に出場する中村優作(35=フリー)が25日、オンライン取材に応じ、新たな必殺技「天保山アッパーで倒す」と意気込みを口にした。

地元・大阪出身の中村は、前回昨年8月の試合(竿本戦)では「通天閣アッパーが空を切った」と、持ち味を発揮できず、1回TKO負け。高い打点を意識し過ぎた反省を生かし、今回は高さ約4・5メートルの「日本一低い山」とされる天保山にならい、低い体勢からの一撃で倒しにいく。

昨年から痛めていた腰痛で納得の試合ができず、前の試合後は引退も頭によぎった。「全然良くならなくて、朝起きるのがつらい状況だった。無理して練習を続けていた結果、あのようになった。プロとしてやっていけないなと」。それでも諦めずに治療を続け「いい治療に巡り会えた。まだやっていける」と復帰を決意した。

19年のトップノイ・タイガームエタイ戦で折られた前歯は、まだ完治していない。「折れたところが膿んできていて、腫れている。歯を狙うのだけはやめてほしい」と苦笑い。腰も歯も弱点を明かしたようにも見えるが「これは強みですよ。問題ない」と意地を張る。

今年に入り、対戦したこともある那須川天心とスパーリングをした。一回り以上も年下の神童に教えを請い「世界最高峰の打撃はすごいなあと改めて思った」と技術を習得。中村の原点である日本拳法の道場にはコロナ禍で通えていないが「3歳からやってきたことなので大丈夫」と言い切った。

対戦相手の北方とは同じ大阪出身ながら接点がないという。「組み技も強いし、何でもできる印象がある」と地元で強い選手のもとに練習に行き、力を付けてきた。RIZINでは連敗中。日本一低いアッパーで腰や歯の痛みとともに北方を吹き飛ばす。【松熊洋介】