ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(28=大橋)が、8月14日(同15日)には米カーソンで開催されるWBO同級王者ジョンリール・カシメロ(31=フィリピン)-WBA同級正規王者ギジェルモ・リゴンドー(40=キューバ)との統一戦の勝敗を予想した。6月19日(日本時間20日)に米ラスベガスでIBF同級1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)に3回TKO勝ちし、防衛成功した井上は13日、横浜市内の所属ジムで本格的な練習を開始。同じ階級の対抗王者となるカシメロ-リゴンドー戦について言及した。

井上は「リゴンドーがしっかり戦ったら判定勝ち。ただカシメロも一発がある。リゴンドーが倒す可能性も十分にある。カウンターパンチがうまいし、逆にカシメロは荒い部分がある。むしろ判定勝ちよりも可能性は高いかもしれない。(カシメロの)スピードのない大振りなパンチならリゴンドーのかっこうのえじきになりますね。結構、リゴンドーのKO勝ちがあると思う」とカシメロのKO負けを予想した。

井上自らは次戦で年内にWBC同級王者ノニト・ドネア(38=フィリピン)との統一戦を希望している。8月からスタート予定というスパーリングについて「(練習)相手は(ドネアと同じ右の)オーソドックスになりますね、当面は。その次、もしリゴンドーが勝ったらサウスポー対策になる」とちゃめっ気たっぷりの笑顔。リゴンドーとの対戦になるケースも、頭に思い浮かべた。

6月の防衛戦時点で、本来なら8月14日はカシメロ-ドネア戦だった。しかしカシメロがドーピング検査に関する両陣営の取り決めが守らず、さらにドネアの家族らに侮辱発言をしたことで、怒ったドネアが試合キャンセルの声明を発表。あらためて興行主からカシメロ-リゴンドー戦になったと発表されていた。井上は「ドネア戦だったら見に行く予定だった。リゴンドーになったので行かないですね。ドネアの応援に行きたかった。本当はドネアとカシメロが対戦するのが理想でしたし、1番良い流れだとは思ったのですけど」と残念がった。

リコンドーの優勢を口にしつつも、井上はカシメロに現地報道などを通じて挑発を受けてきた経緯もある。そのため「本音はドネアに勝って、カシメロに勝ってもらって(自身が)倒して4団体統一が理想です」とも口にしていた。