右足を“死守”した。IWGPジュニアタッグ王者のエル・ファンタズモ(34)、石森太二(38)組が、ロッキー・ロメロ(38)、田口隆祐(42)組の挑戦を退け、初防衛に成功した。

終盤、田口に足を取られ、靴ひもをほどかれた。ついに靴を脱がされたが、田口がのぞいて驚く間に石森が靴を奪い取り、危機を回避した。ファンタズモは靴を脱いだまま、田口をCR2から押さえ込み3カウント。「新日本のリングでは正々堂々と勝負するのが筋ってものだ」と豪語。またしても謎は解明されなかった。

各選手が蹴りを食らうたびにもん絶するファンタズモの右足。「何か入っている」とうわさされる中、レフェリーもチェックもかいくぐり、これまで何度も相手選手をKOしてきた。「あらゆる木を蹴ってスーパーキックを鍛えてきた」。この日もロメロにみぞおちと顔面に2発。大きな音を立て、リング下に葬り去った。

毎回靴を脱いでも、見せるのは靴下の方。「俺の靴をレフェリーに見せて何かあった?」。なぜかレフェリーのチェックもいつも甘く、今回も靴の中を見せることはなかった。ただ「謎を暴く」と狙っていた田口に一瞬、靴の中を見られてしまった。「かなり重かった。靴自体が細工されているのでは?」と探られた。それでもファンタズモは「何度も言ってきたように秘密兵器なんて最初からなかったんだ」と再度キッパリと否定した。

この日はバレットクラブのオーエンズがKOPW2021保持者となった。ホワイトは現NEVER無差別級王者。「この勢いのまま、俺たちが乗っ取る」。これからも右足と一緒にベルトも守り続ける。【松熊洋介】