日本ライト級王者吉野修一郎(29=三迫)が6回TKOで、7度目の防衛に成功した。同級10位仲里周磨(24=ナカザト)と対戦。4回に強打で左目上をカットさせ、6回に試合続行不可能とレフェリーストップ。6回2分20秒TKOで14連勝(11KO)とした。

5回の公開採点では3人のジャッジとも吉野が優位も、48-47とわずか1ポイント差だった。「1回にパンチをもらって、おーっと。スピードもあった」と振り返る。しかし、徐々に東洋太平洋にWBOアジア太平洋と3冠王者の地力の違いを発揮。4回に右ストレートで流血させて、結局はストップ勝ちした。

昨年9月以来で11カ月ぶりの試合に、吉野は「リングに帰ってこられた」とまずは安堵(あんど)した。椎野トレーナーが急病でセコンドには入れないアクシデントもあった。三迫会長は「正直ホッとした。これもいい経験」と胸をなで下ろした。

試合内容には「今までで一番悪い試合。トータルで悪かった。雑だった。コンビネーションも出ずに単発で、中途半端な距離になった」と反省しきりだった。

WBOではすでに世界7位にランクインしている。吉野も「海外に出たい」と希望するが、コロナ禍でままならない状況が続く。世界を目指して「もっと安定したボクシングを」と、コロナ禍後を見据えての成長を期した。