SHO(31)がパートナーのYOH(33)を裏切った。

金丸、デスペラード組との試合の終盤、SHOは攻撃を受け続け、苦しむYOHを助けにリングに上がったが、そのまま何もせずにリングを降りた。その後も攻撃を浴びせられるYOHを、時折苦笑いを見せながら、腕を組んで見つめていた。そのままYOHはデスペラードにピンチェ・ロコで3カウント。異様な空気の中、SHOは大の字になったYOHにショックアローを豪快にさく裂させ、仲間割れの意思表示をした。「YOHさん、いや、YOH。お前はもう終わりだ。引退しろや」。倒れ込んだままの相方の頭を踏みつけ、リングを去った。

2人は12年2月の同期入門。16年のメキシコ、米国海外遠征でもタッグを組み、17年の凱旋(がいせん)帰国後は「ROPPONGI 3K」として一緒にリングで戦ってきた。昨年YOHが左膝前十字靱帯(じんたい)断裂のケガで長期離脱。今年4月の復帰戦ではいきなりIWGPジュニアタッグ王者に輝いた。「心の底からパートナーがSHOで良かったと思った」(YOH)、「戻ってきてくれて本当にありがとう」(SHO)と感謝し合うほどだった。

常にお互いを思いやり、リング上でも助け合ってきた2人。歯車が狂い始めたのは今シリーズからだった。YOHが毎試合3カウントを奪われ「何かが違う。何か湧き上がってくるものがない」などと精彩を欠いた。目に覇気がなく、他選手からも指摘されるほど。それでもSHOは「俺たちにできることをやる。諦めないで勝ちを取りにいく」と前を向いた。

14日の長野大会後に腹を割って話し合い、再起をかけたが、この日YOHが11試合連続のフォール負けを喫し、ついにSHOの我慢も限界となった。「お前には利用価値がねえ。用済みだ」。今日17日にもリーグ最終戦が組まれているが、2人でリングに上がる可能性は低い。デビューから支え合ってきた「ROPPONGI 3K」の歴史が突然、終わりを告げた。【松熊洋介】