イタリア帰国前ラストマッチとなったフランシスコ・アキラ(21)が、有終の美を飾った。

ライジングHAYATO、青柳亮生と組んで6人タッグマッチに出場。相手には全日本に推薦してくれたTAJIRIもいた。序盤はコーナーに押しつけられ、痛めつけられるなど、持ち味のスピードある攻撃が不発だった。その後、仲間のアシストもあって流れをつかむと、最後はブラックめんそーれから3カウントを奪って勝利。「ありがとうございました」と頭を下げ、リングにキスをしたアキラは、温かい拍手で見送られた。

16歳だった15年にイタリアでデビュー。「アキラ」は本名で、日本が好きな母が名付けた。19年に来日し、全日本の大会に参戦。コロナ禍でも帰国することなく、道場で修行を重ね、約2年間、日本のプロレスを全うした。今年6月には、ジュニアバトル・オブ・グローリーで優勝。その後世界ジュニアヘビー級王者の岩本に挑戦し、ベルトを奪取。イタリア人初の王者に輝き「新しい歴史を作った」と涙を見せたこともあった。

再来日は未定だが「いつかまた戻ってくる」と元気よく語った。「全日本プロレスが大好き。本当にありがとう」。覚えた日本語を駆使し、熱い思いを伝えたアキラは、再び全日本のリングに上がることを目標に、イタリアで成長を重ねる。