初優勝を狙うAブロックのIWGP世界ヘビー級王者・鷹木信悟(38)は、石井智宏(45)との27分超えの力勝負を制し、勝ち点2を獲得。同学年のライバル飯伏、内藤は敗れ、優位に立った。8月の新型コロナウイルス感染からの完全復帰を誓う男が、史上3人目となるヘビー級王者での制覇に向け、順調なスタートを切った。

台風が去り、気温30度を超えた大阪を鷹木がさらに熱くした。勝利を確信した技を石井に次々と返されたが、諦めない。残り3分を切り、渾身(こんしん)のラスト・オブ・ザ・ドラゴンで激闘に終止符を打った。試合後は疲れを見せながらも「俺はこんな戦いをしたかった。これがG1だ。待ちに待ってたぞ」と勝利をかみしめた。

「体1つの真っ向勝負。これがプロレスだ」。逃げずにぶつかり合う同じスタイルの石井に負けるわけにはいかなかった。ゴング直後から激しくぶつかり、殴り合った。「180センチ120キロという体格じゃないし、飯伏のように飛び技があるわけでもない。瞬発力やパワーでインパクトを残すしかない」。エルボー、ラリアット、ブレーンバスター、バックドロップ…。やられたら同じ技でやり返し、意地をぶつけ、プライドを守った。

大会前ライバルと語っていた「昭和57年会」の飯伏、内藤が相次いで敗れた。「俺たちの世代が頑張ると言ったが前言撤回だ。俺が引っ張って行く」。狙うは95年武藤、00年佐々木以来となる王者での制覇。「うわさではできないとか言われているが、過去に2人いる。3人目の快挙を成し遂げてやる」とほえた。次戦は23日で、内藤を破って勢いに乗るセイバーJr.と対戦。「よく研究しておくんだな」。王者として堂々と迎え撃つ。