格闘技イベントRIZIN30大会が行われた。メインイベントでは朝倉海とアラン“ヒロ”ヤマニハがバンタム級トーナメント2回戦で激突した。


キングカズ次男が大みそかデビュー

キングカズこと三浦知良の次男孝太(19)が大みそかのRIZINで格闘家デビューすることを発表した。

19日、さいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN30大会の休憩時間に榊原信行CEOとともにリングに上がった孝太は「RIZINでデビューさせていただけるということで感謝しています」などとあいさつ。榊原CEOも「ポテンシャル、DNAは最高。ルールや対戦相手などはこれから決めていきたい。大みそかにデビューします」と補足説明していた。


RIZINでデビューする事が決まりリング上であいさつした横浜FC三浦知良の息子の孝太(左)は榊原CEOと記念撮影する(撮影・滝沢徹郎)
RIZINでデビューする事が決まりリング上であいさつした横浜FC三浦知良の息子の孝太(左)は榊原CEOと記念撮影する(撮影・滝沢徹郎)
オープニングで入場するぱんちゃん璃奈(撮影・滝沢徹郎)
オープニングで入場するぱんちゃん璃奈(撮影・滝沢徹郎)
オープニングで入場する朝倉(撮影・滝沢徹郎)
オープニングで入場する朝倉(撮影・滝沢徹郎)

◆試合経過


第1試合

<キックボクシングルール>


ぱんちゃん璃奈3-0
判定
百花

百花(左)に蹴りを見舞うぱんちゃん璃奈(撮影・滝沢徹郎)
百花(左)に蹴りを見舞うぱんちゃん璃奈(撮影・滝沢徹郎)
3回、百花(手前)に蹴りを見舞うぱんちゃん璃奈(撮影・滝沢徹郎)
3回、百花(手前)に蹴りを見舞うぱんちゃん璃奈(撮影・滝沢徹郎)
試合後、マイクパフォーマンスするぱんちゃん璃奈(撮影・滝沢徹郎)
試合後、マイクパフォーマンスするぱんちゃん璃奈(撮影・滝沢徹郎)

第1試合に登場した、人気キックボクサーのぱんちゃん璃奈(27=STRUGGLE)が、19年2月のプロデビューから12連勝を飾った。RIZIN初となる女子キックボクシングの試合で百花(28=魁塾)と対戦し、30-28、30-28、30-29の判定3-0で勝利した。

お互いに1歩も引かず、9分間打ち合った。中に入ろうとする百花に対し、ぱんちゃんは前蹴り、ローキックを多用し、その後のパンチを的確に当てていった。

あこがれだったRIZINのリングにようやく立った。これまでは「勝つことが次につながる」と考えていたが、今回は「勝つだけじゃうれしくないので、倒しにいく。1%でも可能性があるなら、自分の力で引き当ていくという気持ち」とKO勝ちを宣言していた。言葉通りにはいかず「期待して見てくださった方もいる中、倒せず申し訳ない。また出直して来ます」と試合後は悔しさをにじませた。

出場決定後の8月に新型コロナウイルスのワクチン接種の副反応で唇が腫れるなどして、練習ができない時期もあったが、強さは変わらなかった。「女子キックは必要ない」といった声も耳にするという中「魅力を伝えたい」と臨み、しっかりと結果で応えた。


ぱんちゃん璃奈 「悔しいです。気持ちが強い選手だということは分かっていた。気持ちじゃなくて、テクニックとか技術で完封したいと思っていたので実力不足。同じ階級では勝っているので倒せる選手になりたいです。倒せなかったことが悔しい。今の実力でいけば倒せる自信があったが、もっと力まずにいけばよかったです」


百花 「RIZINの大きい舞台は緊張した。キックが好きで盛り上げていきたいので、また1からはい上がっていきたい。女子キックの面白さを伝えようとしたけど、『こんなものか』と思った人もいると思うけど、これからまだまだ頑張っていくので、応援してくれたらうれしいです」


第2試合

<MMAルール>


昇侍1R
KO
鈴木千裕

鈴木に勝利し勝ち名乗りを受ける昇侍(撮影・滝沢徹郎)
鈴木に勝利し勝ち名乗りを受ける昇侍(撮影・滝沢徹郎)
鈴木(右)にパンチを見舞う昇侍(撮影・滝沢徹郎)
鈴木(右)にパンチを見舞う昇侍(撮影・滝沢徹郎)

3秒KOの“世界記録”を持つ「瞬殺侍」こと昇侍(しょうじ、38=KIBAマーシャルアーツクラブ)が、開始20秒の瞬殺勝利でRIZIN初白星をつかんだ。

鈴木千裕(22=クロスポイント吉祥寺)が試合開始とともにパンチで圧力をかけたが、昇侍がカウンターの左パンチを相手のあごにヒットさせ形勢逆転。その後、リングに倒れた鈴木にパンチの連打でとどめを刺した。

昇侍は試合後のリングでマイクを握ると「悔し涙を流すことが多く、何度も挑戦しても勝てなかった大舞台で、諦めずに悔しいことを乗り越えて勝つことができました」と男泣きした。


昇侍 「ホッとしています。バチバチ来てくれると思っていたので、臨むところだと思って勝負に挑むことができた。(1回の相手パンチは)見えていたというか、大きく振ってくると思っていたので、打ち合いながらも冷静にいこうと。カウンターは感触がなかったが、相手が崩れていった感じです」


鈴木千裕 「結果がすべて。自分が甘かった。また呼ばれるように強くなって出直します。まさかあそこでカウンターが来るとは思っていなかった。パンチで倒せると思っていたが甘かった。負けた以上、ゼロからと言うよりもマイナスから積み上げて、次は皆さんに喜んでもらえるように格闘技を頑張りたいです」


第3試合

<MMAルール>


太田忍3-0
判定
久保優太

1回、試合開始直後に久保(左)のカウンターの蹴り浴びる太田(撮影・滝沢徹郎)
1回、試合開始直後に久保(左)のカウンターの蹴り浴びる太田(撮影・滝沢徹郎)
1回、久保(下)にパンチを見舞う太田(撮影・滝沢徹郎)
1回、久保(下)にパンチを見舞う太田(撮影・滝沢徹郎)

レスリングで16年リオデジャネイロ五輪銀メダリストの太田忍(27=パラエストラ柏)が、総合格闘家転向2戦目でプロ初勝利を飾った。K-1元ウエルター級王者の久保優太(33=PURGE TOKYO/BRAVE)を3-0の判定で下した。

1回は序盤からタックルでグラウンドに持ち込み、こつこつとパンチを当てた。終盤にはけさ固め、パンチの流れでフィニッシュを狙った。2、3回もいずれもグラウンドでコントロールし、相手を攻め、肩固め、ネックロックなど攻め立て、1本はならなかったが、危なげなく勝利した。

デビュー戦となった昨年大みそかは所英男(44)に1本負けを喫し、右肘靱帯(じんたい)完全断裂の大けがを負った。8カ月ぶりの復帰戦でプロ初勝利を手にした太田はリング上で「(総合格闘技を)始めたばかりですが、世界最高峰のベルトを目指して頑張っています」と宣言。「もっともっと練習して格闘技漬けの毎日を送りたいです。今日は3ラウンド判定で塩くさい試合になりましたが、大みそかはさいたまスーパーアリーナを爆発させたいです」と意気込んだ。


太田忍 「(初勝利に)安心した気持ちと決めきれなかった悔しさ、練習してきたことを半分ぐらいしか出せなかった、いろんな気持ちが入り交じっている。始めたばかりで何を言っているんだと思われるかもしれないが、目指すのは世界最高峰UFCのベルトを念頭において頑張っていきたいです」


久保優太 「もうちょっと立っているときに自分の試合展開をつくらないといけなかったし、アグレッシブさが足らなかった。ある程度、倒されることは想定していたが、2、3回と同じ展開になってしまった。自分がダメすぎた。ダメージはないので、早くもう1回やりたい。(総合格闘技は)楽しかったです」


第4試合

<MMAルール>


佐々木憂流迦0-3
判定
堀江圭功

試合後、マイクパフォーマンスする堀江(撮影・滝沢徹郎)
試合後、マイクパフォーマンスする堀江(撮影・滝沢徹郎)
3回、3回、佐々木(右)のボディーにパンチを見舞う堀江(撮影・滝沢徹郎)
3回、3回、佐々木(右)のボディーにパンチを見舞う堀江(撮影・滝沢徹郎)

堀江圭功(26=ALLIANCE)が、佐々木憂流迦(うるか、31=セラ・ロンゴ・ファイトチーム)を3-0の判定で下した。 打撃の堀江と、寝技の佐々木の対決。堀江は終始、重いパンチやキックで有利に展開した。何度も佐々木に背中をとられたが、巧みに逃げ切り倒されることはなかった。 佐々木はバンタム級からフェザー級に階級を上げ、金髪を黒の短髪に変えて臨んだが、得意の寝技に持ち込めなかった。 堀江は「相手の圧力がすごかったが力は見せられたと思う。これからの自分の活躍を期待してください」とさらなる飛躍を誓っていた。


堀江圭功 「KOしたかったが佐々木選手の気持ちも強かったので倒せなかった。普段の練習してきたことができたので良かった。(佐々木は)向かい合ったときに体がでかくて、組みも強く打たれ強くて思った以上だった。(次は)個人的には特に誰というのはないが、戦って意味のある相手、ステップアップできる相手と戦っていきたい。もっともっと強くなっていきたいので、ご期待下さい」


佐々木憂流迦 「組みが全然やり切れなかった。(相手の印象は)思っていたとおりだったが、組みが行けなかったと言うのが何回かあった。(フェザー級に階級を変えたが)良かったと思う。ナチュラルに近い感じで出られたので、フェザーで作り込んでやろうかなと。まだまだこんなんじゃ終わらない。一からちゃんと見直して、しっかり作り直そうかと思う」


第5試合

<MMAルール>


武田光司0-3
判定
矢地祐介

試合に勝利した矢地はトロフィーにキスする(撮影・滝沢徹郎)
試合に勝利した矢地はトロフィーにキスする(撮影・滝沢徹郎)
3回、武田(右)にパンチを見舞う矢地(撮影・滝沢徹郎)
3回、武田(右)にパンチを見舞う矢地(撮影・滝沢徹郎)

「国内王者狩り」を公言する矢地祐介(31=フリー)がDEEPライト級王者・武田光司(26=BRAVE)を判定3-0で下した。

序盤から激しい技の応酬となった。武田は意表をついた豪快な投げ技から関節技を試みた。矢地は武田の顔面直撃の高い飛び膝蹴りを決めて、圧力をかけた。

試合は最終ラウンドまでもつれ込んだが、判定時は右目をはらした武田に対して、ほぼ無傷の矢地と対照的だった。

矢地は「しっかり技術を出して勝ちきることができた。3団体王者(武田)に勝ててすごくうれしい」と喜んでいた。


矢地祐介 「次につながったのでホッとしている。(相手は)ガッツがあってタフな選手だったが、予想より下回ってくれたのでそこは良かった。目指すはベルト。チャンスがあれば、ファンの皆さんが求めてくれたときにベルトをかけた試合ができるといいなと思う。最初の跳び膝は最初から狙っていた。組みの展開には自信を持っていて、武田としっかりやり合えたのは良かった。大みそかにやれるならしっかり参戦してファンの人に見てもらいたい」。


武田光司「宮田先生の言っていた距離感と自分の距離感が違った。相手うんぬんより僕がダメだった。(次戦は)負けちゃったので発言権があるか分からないが、使ってくれるのであれば使ってくれと、思います」


第6試合

<女子MMAルール>


浜崎朱加3-0
判定
藤野恵実

3回、激しくパンチを打ち合う藤野(左)と浜崎(撮影・滝沢徹郎)
3回、激しくパンチを打ち合う藤野(左)と浜崎(撮影・滝沢徹郎)
試合後、健闘を称え合う藤野(左)と浜崎(撮影・滝沢徹郎)
試合後、健闘を称え合う藤野(左)と浜崎(撮影・滝沢徹郎)

RIZINスーパーアトム級王者浜崎朱加(39=AACC)が練習仲間のパンクラス女子ストロー級王者藤野恵実(40=トライフォース)に殴り勝った。9年ぶりの再戦となった同カードは、グラウンド(寝技)の勝負はなく、1回からサウスポーの浜崎、右構えの藤野が打撃戦の展開。藤野の右オーバーハンドに対し。浜崎が左拳で反撃。総合格闘技ルールながらフルラウンドで顔面への殴り合いとなり、藤野の左目、浜崎の右目が腫れるほどの激しいパンチの応酬となった。判定は3-0で浜崎が勝利し「王者対決」を制した。両者は12年12月に初対決し、浜崎が判定勝利を挙げていた。


浜崎朱加 「藤野さんと最高の舞台で戦えたのはうれしく思っている。(印象は)変わらない。ガツガツくるのも昔から変わっていない。(9年前はガラガラの会場だった)特別な舞台で再戦できたのは感慨深いし、財産になりました。(今後は)持っているベルトをしっかり防衛し続けていきます。寝技に行けたらとおもっていたが、途中から打ち合いが楽しくなって、プランにはなかったけど打ち合ってしまった。(涙は今まであまりなかったが)絶対に泣かないでおこうと思っていたけど、親方とも仲がいいので感情がこもってしまった。とりあえずご飯にいきたいです。タイミング合えばまた一緒に練習したい。(戦いたい日本人の相手は)正直思いつかない。自分が強くなりたいというのがモチベーションなので、相手がいないことで下がったりしない。(上の階級は)49キロまで落としてくれたらやってもいい。1個上があまり選手がいないので考えていない。(最後は)感謝の気持ちとまたやろう、と伝えた。やるとしたら2人だけで無観客でやろうかな」


藤野恵実 「悔しいけど負けてこんなにすがすがしいのは初めてかも。試合決まって複雑な気持ちがあったが、リングで見あったときに「2人でこの試合作り上げるんだ」みたいな気持ちになった。3回に彼女と試合やって楽しいんだなと思ってスッキリした。思いっきり打ち合えて楽しかった。(9年前と比べて)小さい会場でも気持ちは一緒だが、やっているのを多くの人に見てもらえるのはうれしい。(今後)腫れが引いたら練習再開したい。戦える限りは好きなのでやっていきたい。それを少しでも多くの人に見てもらえたら。(顔が腫れているが)全然関係ない。格闘技より好きなものがないので、これからもやっていきたい。(浜崎は)9年前よりうまくなっているなあと。組みが多い選手だがすべてにおいてすごい選手だなあと。(仲のいい浜崎と殴り合うのはどんな気持ち)お互いのできる最高のものを出してたい。一緒にできる1番のものを作り上げようという感じ」


第7試合

<MMAトーナメントルール>


元谷友貴1R
KO
瀧澤謙太

1回、元谷(奥)にパンチを見舞う滝沢(撮影・滝沢徹郎)
1回、元谷(奥)にパンチを見舞う滝沢(撮影・滝沢徹郎)
1回、元谷(手前)に蹴りをを見舞う滝沢(撮影・滝沢徹郎)
1回、元谷(手前)に蹴りをを見舞う滝沢(撮影・滝沢徹郎)

バンタム級トーナメント2回戦で、瀧澤謙太(26=フリー)が1回TKOで元谷友貴(31=フリー)を撃破した。相手アゴに左フックでダウンを奪うと、立ち上がった元谷を休ませることなく、コーナーに追い詰めてパンチで追撃。1回2分27秒、連打を浴びせたところでレフェリーストップ勝ちとなった。昨年9月からRIZIN参戦した瀧沢が、DEEPリングで2階級制覇している元谷を下し、準決勝へと駒を進めた。


瀧澤謙太 「とりあえず勝てて良かったです。(相手の印象)もう少し前出てくるかなと思っていたけど。(今後は)大みそか誰と当たるか分からないが2戦しっかり勝てるように、体力、筋力を上げていきたいと思う。前に出てくるタイプだと思ったので、角度付けて横から当てようかと思っていた。元谷選手の作戦をうまく実行できたのかな。元谷選手はガードを挙げる癖があるので、顔面が効いた後にボディに行った。それも効いていたのでさらに顔に行った。今が勝負だと思ってたたみかけた。(準決勝は)朝倉とやりたい。優勝はするつもりだが、相手の対策をしっかり立てて進みたい。(瀧沢ダンスがなかったように見えたが)試合自体がそれだと思っていただければ」


元谷友貴 「完敗です。(相手の印象は)特に変わらなかった。(今後は)ちょっとゆっくり考えます。パンチはもらったのは何個か覚えているが、記憶にない部分もあったりした。タイミング良くうまく当てられたかな。(最後ロープに逃げたが)上半身が出ていて、立て直せなくて、とっさに足が出てしまい、場外となってしまった。ロープに上半身が出ているときは記憶があったが、その時に攻撃されていて、戻ろうと思っていたが、とっさに出てしまったのかもしれない」。


第8試合

<MMAトーナメントルール>


扇久保博正3-0
判定
大塚隆史

3回、大塚(右)に蹴りを見舞う扇久保(撮影・滝沢徹郎)
3回、大塚(右)に蹴りを見舞う扇久保(撮影・滝沢徹郎)
3回、パンチを交錯させる大塚(左)と扇久保(撮影・滝沢徹郎)
3回、パンチを交錯させる大塚(左)と扇久保(撮影・滝沢徹郎)

バンタム級実力者の扇久保博正(34=パラエストラ松戸)が、大塚隆史(35=T GRIP TOKYO)とのベテラン対決を判定3-0で制し、同級トーナメント準決勝に駒を進めた。1回からスタンディングで試合が進む。同回には大塚の右フックが扇久保のあごを捉え、ダメージを負わせる場面があったが、1~3回まで扇久保がパンチとキックのコンビネーションで的確に攻め立てた。カーフキックを有効に使い、相手の動きを封じたのが大きかった。扇久保は「トーナメントは絶対に僕が優勝するんで、僕に全ベットしてください。ありがとうございました」とリング上であいさつ。大塚は3回にテークダウンを決めたが、攻めきれなかった。


扇久保博正 「大みそかに残れてホッとしている。(相手は)もっとタックルに来ると思ったけど、打撃でやれてよかったと思う。優勝してリングの上からカメハメハを打ちたい。(ベラトール移籍の堀口について)自分はトーナメントに出ていて、堀口選手は年1回、RIZINで戦うと言っているので、優勝すれば戦える権利はもらえると思います」


大塚隆史 「終わってしまったなという感じ。(扇久保からまだ続けてほしいと言われたが)ちょっと考えないといけないなと。ほかのファイターよりも試合を続けてきて気がつけば35歳。思うようにいかない部分も出てきて、ちゃんと考えないといけないなと。連戦で疲れた自分もいた。体を休めて少し、ゆっくりしたいです」


第9試合

<MMAトーナメントルール>


井上直樹3-0
判定
金太郎

3回、金太郎(右)にパンチを見舞う井上(撮影・滝沢徹郎)
3回、金太郎(右)にパンチを見舞う井上(撮影・滝沢徹郎)
3回、パンチを交錯させる金太郎(左)と井上(撮影・滝沢徹郎)
3回、パンチを交錯させる金太郎(左)と井上(撮影・滝沢徹郎)

バンタム級トーナメント2回戦で、元UFCファイターの井上直樹(24=セラ・ロンゴ・ファイトチーム)が金太郎(28=パンクラス大阪稲垣組)を判定で下した。サウスポーの金太郎の激しいパンチに対し、井上はリーチ差を生かしてキックをベースに対抗。2回には左のローキックで金太郎の動きを止めるシーンも演出した。

古傷のある右拳での打撃を控えながらも、緊張感ある打撃の攻防を展開し、3ラウンドを戦い抜いた。3-0の判定で勝利した井上は「KOか一本かと決められたら良かったですけれど、勝てて良かったです。マイクパフォーマンスがうまくできていないので、また次回よろしくお願いします」とコメントし、場内をわかせていた。


井上直樹 「強かった。パンチもキック力もある。(朝倉海は勝利したが)朝倉海ともやりたいが、抽選会で挑発してくれた扇久保ともやりたい。(大みそかは)打撃でまだまだだと思ったのでしっかり磨いて一本、KOを狙えるように頑張りたい。(良かったところは)なかった。ちょくちょく当たってるなと思っていた。(朝倉の試合を見て)KOで勝つと思っていた」。


金太郎 「負けました。警戒しすぎたかな。ボディは手応えあったが、自分が用意してきたものは距離が遠くて当たらなかった。想像していたよりも遠くてそれよりも入れなかった。このトーナメントに出てきてる時点で、そんなに差はないと思っている。負けても自分の位置はそんなに変わらないかな。最後チャンスがあれば一気に行くと決めていたが、倒しきれなかった。腹決めて3回に前に出たが、次は1回からその気持ちをもって挑むだけ」



第10試合

<MMAトーナメントルール>


朝倉海3-0
判定
アラン“ヒロ”ヤマニハ

オープニングで入場する朝倉(撮影・滝沢徹郎)
オープニングで入場する朝倉(撮影・滝沢徹郎)
1回、アラン“ヒロ”ヤマニハ(右)にパンチを見舞う朝倉(撮影・滝沢徹郎)
1回、アラン“ヒロ”ヤマニハ(右)にパンチを見舞う朝倉(撮影・滝沢徹郎)
1回、アラン“ヒロ”ヤマニハ(右)に蹴りを見舞う朝倉(撮影・滝沢徹郎)
1回、アラン“ヒロ”ヤマニハ(右)に蹴りを見舞う朝倉(撮影・滝沢徹郎)
アラン“ヒロ”ヤマニハ(左)に判定勝ちした朝倉(撮影・滝沢徹郎)
アラン“ヒロ”ヤマニハ(左)に判定勝ちした朝倉(撮影・滝沢徹郎)

バンタム級トーナメント2回戦で朝倉海(27=トライフォース赤坂)がアラン"ヒロ"ヤマニハ(35=ボンサイ柔術)に3-0判定で勝利し、準決勝に進出した。圧勝とはならなかったが、終始攻め続け、打撃で上回った。

試合後、朝倉は首をひねり、ヤマニハは両手を挙げ、笑顔を見せた。KOできず納得のいかない戦いに朝倉は「判定でつまらない試合をして申し訳なかった」と語った。序盤から左右のパンチがボディや顔面にヒットするも、ひるむことなく前に出てくるヤマニハに苦戦した。

6月の大会で兄・未来がクレベルに一本負けするなど、ボンサイ柔術の強さが際立った。「狙ってくるところは分かっている。過去の映像も全部研究した」と十分な対策で臨んだ。コーナーに追い詰められ、絞め技に持ち込まれそうにもなったが、何とか回避し、判定での勝利をつかんだ。

5月に元K-1王者の魔裟斗と対談し、ランニングや階段ダッシュ、縄跳びなどを取り入れた。「(6月の)1回戦ではそんなに効果がなかったけど、どんどん成長している」と最高の体を作り上げた。管理栄養士が毎日作る食事で、体調にも不安がなかった。

試合の日にはRIZINがツイッターでトレンド入りすることも多いが「まだまだ盛り上げたい。他の選手ももっと盛り上げて欲しい」と話す。大会前にはユーチューブで自分が出場するトーナメントの勝敗を予想。「あくまで僕の予想なので」と言いつつも、4試合すべてを“解説”した。

大みそか大会は準決勝、決勝の2試合が一気に行われる。優勝後には昨年12月に敗れた現バンタム級王者の堀口恭司(30)との再戦や、世界挑戦が見えてくる。海外で調整を続ける堀口は今月、米ベラトール参戦を表明した。「自分もいずれは戦うこともあると思う。絶対にこのトーナメント優勝するので、もっと強くなって(大みそかに)戻ってくる」。海外挑戦を目標とする朝倉にとってはまだまだ通過点。今度は2試合圧勝で頂点に立ち、21年を締めくくる。


朝倉海 メインを任せてもらったのに微妙な判定になってしまい、ふがいない。(ヤマニハ)は組む力もパワーもあった。(次の相手は)どの選手でもいい。ファンが見たいカードを組んで欲しい。今回の試合で自分の修正点が見つかったので、ある意味良かった。攻撃のバリエーションとかテイクダウンの対処法とかしっかり修正して最強の状態で臨めるように頑張りたい。相手を何度か引かせたが、そこで倒すことを意識し過ぎて詰めが甘かった。(組みは)寝かされることはないなと思っていたが、ディフェンスで休みすぎたかな。1回終了後、拳がすごく痛かったので、距離を取っていた。その後は左ボディとか、最悪ケガしてもいいと思って、右でも打っていた。(ボンサイ柔術VS朝倉兄弟について)ボンサイ柔術の選手は勢いがある。兄のリベンジという思いはないが、RIZINの中心は僕ら朝倉兄弟でありたいという思いはある。そういう強い気持ちで戦っていた。


アラン"ヒロ"ヤマニハ 試合後には「勝った」と思った。初めてメインに出て、やっと私の夢が実現できると思ったが、できずに残念。朝倉は本当に強い。ベルトへの挑戦は、今できないけど、チャンスがまたあると思う。強いボンサイ柔術の選手と練習しているから、結果は必ず出ると思う。井上選手か朝倉選手が優勝すると思う。