王者寺地拳四朗(29=BMB)が、挑戦者の同級1位矢吹正道(29=緑)に敗れ、9度目の防衛に失敗した。複数階級制覇が主流の中、同じ階級での連続防衛回数にこだわってきたが、目指してきた日本記録の元WBA世界ライトフライ級世界王者具志堅用高氏の13回に届かなかった。

さすがに急ピッチの仕上げは厳しかった。8月末に新型コロナウイルス感染の陽性が判明し、試合は延期。寺地も自宅で約10日間の隔離となった。その期間、「部屋では基本、動かないんで」とほぼ動かず、動画などを見る日々。最高で37・5度と症状は重くなかったが、調整プランは大きく狂った。

最も影響を受けたのが減量だった。通常は苦にしないが、感染から回復後に残り6キロ。父でBMBジム会長の寺地永会長は「ギリギリだった」と振り返る。

本人はいっさい、表に出さなかったがリングに立つまでが厳しい戦い。キャリアで相手を圧倒する立場だったが、アクシデントに負けた。

大きな目標を失った今後も、展望は見えない。負けなしで突っ走ってきた寺地が、試練を迎えた。