2月に退職した大相撲の先代時津風親方こと坂本正博(47、元前頭時津海)は総合格闘家デビュー戦でほろ苦い黒星を喫した。RIZINを主戦場とする総合格闘家・朝倉未来がスペシャルアドバイザーを務める1分1回の格闘技大会ブレイキングダウンに初参戦。ボクシング元日本スーパーミドル級1位でパンクラスの元ウエルター級王者三浦広光(40)と無差別級スペシャルワンマッチで対戦し、0-2の判定で敗れた。

体重で約40キロ以上重い坂本は体格を生かして開始からタックル、組み技で突進。ケージ際に追い込んで倒そうとしたが、三浦に回避された。突進ミスして倒れた際にはパンチも浴びたものの、試合終了間際まで攻め続けたが、判定負けとなった。

試合前のインタビューで坂本は「怖さはあまりないけどね。34歳になるちょっと前に引退したが、まだまだ不完全燃焼というところもある。1回、チャレンジしてみようという気持ちになった」と参戦への思いを口した。出場オファーを受けた際には「2、3日考えさせてくれ」と即答しなかったが、力士になった序二段の木竜皇(18)、春雷(16)の息子2人の後押しで参戦を決断。対戦相手が決まれば、7月の第1回大会から参戦していたという。

パンチ、キックなどは初体験でもあり「ぶちかますだけじゃないですし。ボクは殴ったり、蹴ったりしたことがない。イメージがわかないんです」と打撃への戸惑いも明かしながら、ケージ(金網)に入り、オープンフィンガーグローブを装着。新たな勝負の世界へと足を踏み込んでいた。

坂本は親方でありながら初場所中にマージャン店に出入りするなど不要不急の外出をし、退職勧告処分が2月の臨時理事会で決定していた。