「挑戦者」田中将斗(48)が、新王者中嶋勝彦(33)を前哨戦で粉砕した。

博多大会(30日)でのGHCヘビー級選手権試合、熊本大会(28日)でのGHCナショナル選手権試合のダブル前哨戦となったメインイベント。ヘビーのベルト奪取を目指す田中は、ナショナル王者杉浦貴(51)と組み、戴冠後初試合の中嶋、望月組と激突した。

かつての名タッグ“弾丸ヤンキース”の限定復活に、満員の観客が沸き立った。序盤は、中嶋の強力な蹴撃に合うなど苦戦を強いられたが、杉浦のフォローもあり、3カウントを阻止。何度も倒れ込みそうになるも、その度に雄たけびを上げて持ちこたえると、最後はスライディングDをたたき込み、自ら中嶋をノックアウトしてみせた。

試合後、花道を引き上げる王者に「中嶋、俺が必ずお前をおいしく食って、お前の腰からベルトを引っぺがしたるからな」と宣言。「いろいろな歴史のあるベルト。そこに自分の名を刻みたいって気持ちは強い」と改めて王座への思いを語った。

30日を挑戦者として迎えるが、これで中嶋戦の無敗を継続。9月12日の「N-1 VICTORY」公式戦でも完勝しており、相性の良さが光る。10日には「俺は食われてへん!」とリングに乱入し挑戦宣言。改めて拳を交え「俺にはベルトを取る絶対の自信がある」と胸を張った。

GHCヘビー王者のその先に、弾丸ヤンキース対決をも見据える。試合後、杉浦と握手を交わすと「中嶋を倒して、あなたも倒すからそこまで待っといてくださいよ」と、通告。8月に奪われたゼロワン世界ヘビー級王座の再奪取へ、目をぎらつかせた。【勝部晃多】