プロレスリング・ノア熊本大会が28日に熊本城ホールで行われる。GHCナショナル王者の杉浦貴(51)が、メインイベントでドラゴンゲートから参戦中の望月成晃(51)と対戦し、3度目の防衛を狙う。

杉浦は、10日の試合後、同じ70年生まれのライバルから「そこにある赤いベルトかけて俺とやってくれませんかね」と挑戦を受けた。「お互いが輝けるようないい試合を作る」と実力を認める相手。歓迎だった。「ノアに彼が上がってからずっと(シングルで)やりたかった」と闘志をみなぎらせた。

どっしりと構え、力勝負を受けて立つスタイルだ。8月の横浜大会では、ゼロワンの世界ヘビー級王者田中将斗と互いのベルトをかけて対戦。35分を超える熱闘を制し2冠王者になった。

長期戦をものともしない杉浦の原点は、プロレスが好きだということ。「やる気なんて自然に備わっているもの」と、過酷であろう体作りやコンディション調整を難なくこなす。「逆にブヨブヨの体になる秘訣(ひけつ)は? って聞きたいくらい。普通にしていればこれくらいはできる」と五十路(いそじ)を迎えても、鍛え上げられた肉体美は健在だ。

若い世代にも、まだまだ負けない。藤田和之(51)桜庭和志(52)田中将斗(48)ら、同世代の活躍を刺激にする。「この年齢になると、年が近い人が頑張っていると『おっ!』ってなる。今後(ベテランが)戦っていく中で盛り上げていければ」と力強い。

その上で、誰にもGHCナショナルのベルトを渡すつもりはない。「初代も僕が取らせてもらった」と思い入れは人一倍。日の丸をあしらった赤を基調としたデザインも気に入っている。「まだまだこれからいろんな防衛戦を戦って、歴史をつくっていきたい」と、ベルトとともに成長することを誓った。

王者として迎えるタイトルマッチ。熊本では自身初となる。「好きな街だし楽しみ」と笑顔。「見に来てくれる人たちが、ノアのタイトルマッチがこういうものなんだと、楽しんでもらえればいいかなと」。生え抜きの51歳が、火の国で熱い戦いを披露する。【勝部晃多】