プロレスリング・ノア熊本大会(28日、熊本城ホール)で、GHCナショナル王者の杉浦貴(51)に挑戦する望月成晃(51)は“若手”に戻れるノアのリングでシングル初ベルト獲得に意欲を見せる。

19年からノアに参戦するようになり、昨年は丸藤と組んでGHCタッグ王座に輝いた。20年には武藤、丸藤とユニット「M's alliance」を結成。その後、52歳の船木らも加入し「自分が一番下か、と思うときがある。ここに来たら若手のつもり」と貪欲に勝利を狙う。

杉浦とは同じ70年生まれ。51歳同士の対戦に「杉浦さんとシングルをやりたいというのがあった。戦いに対するベクトルが似ている。少ない技でも組み立てているレスラー。僕にも華麗さはないし、波長が合うなと」。3度目の出場となった9月の「N-1 VICTORY」リーグ戦では、2勝するも、拳王との一騎打ちに敗れ、決勝トーナメント進出を逃した。それでも今月10日の大阪大会の6人タッグで、杉浦から3カウントを奪ったことで挑戦表明。「(N-1)過去2回とも手応えはあったが、ベルトというのは何かしらの明らかな結果を出さないと挑戦できないもの」と思いを明かした。

「コンディションがいい」と話すが、体のケアは人一倍意識する。40代のころから「悪くなる前に整体に行く。この年になると痛くなってから行っても手遅れになる」。睡眠はきっちり7時間半と決めている。「若いときにはバラバラだった。お酒も毎日飲まないように気を付けている」と語った。

シングルのベルト獲得となれば、18年6月まで保持していたドラゴンゲートのオープン・ザ・ドリームゲート王座以来となる。「年をとってもこうやって歴史あるベルトに届く位置に来たというのは、自負できるところ」。他団体への挑戦で失うものはない。「このリングで戦っている時点で僕に損はない。勝てば大きいし、負けても何もないのでおいしい。等身大の正直な気持ちを出して純粋に戦いたい」。自らを「発展途上」だと話す51歳が、大きなベルトに向かって突き進む。【松熊洋介】