インターナショナルジュニアヘビー級王者拳剛(32)が挑戦者佐藤光留(41)と21分の熱闘を制し、2度目の防衛に成功した。

8月25日に橋本和樹を退けて以来の防衛戦は、瀬戸際まで追い込まれた。投げ、蹴り、関節技と、巧みな攻撃を繰り出す強敵に大苦戦。「全然痛くねえな!」と頭突きを受けると、意識はもうろうとした。それでも、王者は倒れなかった。一瞬の隙を突き、垂直落下式ブレーンバスターをさく裂。一気に3カウントを奪ってみせた。

尊敬するレスラーを超えた。興奮冷めやらない表情でバックステージに現れた拳剛は「今日は何も言うことはない。あの佐藤光留に勝った。こんな信じられないことはない。これが求めていたプロレスだ!」と一気にまくしたてた。思いがあふれた。新人時代、自身が思い描いていた理想のプロレスができず、悩まされていた時期があった。そんな時に、雑誌で佐藤のコラムに出合った。「コラムが『自信を持ってやったらいい』と気付かせてくれた。嘘だと言われたけど尊敬している。あなたのおかげで救われたレスラーがここにいる。ありがとうございました。また戦ってください」。右肩に担いだベルトを揺らした。

来月には、ヘビー級選手を交えた試合に出場する。「ヘビーやジュニアは関係ない。壊れたってかまわない」と豪語。「当たり前に優勝してやる」と高らかに宣言した。【勝部晃多】