ハイスピード選手権試合は、王者スターライト・キッドが、両者リングアウト引き分けにより、2度目の防衛に成功した。
挑戦者・渡辺桃(21)との場外での攻防は、もはやけんかだった。ビンタで先制攻撃を仕掛けたキッドは、セコンドたちの力も借り、渡辺に襲いかかると、パイプ椅子に座らせ、花道の奥から助走を付けて蹴り込んだ。その後は渡辺の逆襲に遭い、大事なマスクを剥がされかけて激高し、観客の椅子の上で殴る、蹴るの大暴れ。レフェリーの場外20カウントは2人に全く届かず、そのまま試合終了。「悔いの残る結果だが、このベルトを闇レベルに引き上げた」と最低限の仕事を果たした。
荒れた試合となったが、キッドは満足していた。「よくも私のマスクに手をかけ、火を付けてくれた…と言いたいところだけど、荒々しい渡辺桃を見たかったんだよ」。言葉の裏には、自身が所属するユニット、大江戸隊への誘いがあった。激しい表情で迫ってくる渡辺に、ヒールの素質があると思った。「お前、このままで良いの? 今のお前の感じ、大江戸隊の方が似合うんじゃないかと…」と語った。渡辺はこの挑発に乗らなかったが「これからも渡辺桃を支配してやる」と言い切った。
次期挑戦者にはコグマが登場。9月の「5☆STAR GP」では敗れており「恨みを晴らしてやるからな。私がこの手で熊狩りしてやるよ」と力を込めた。6月に全面戦争に敗れ、大江戸隊に強制加入させられるも、8月にハイスピード王座初戴冠。闇をイメージしたコスチュームや、卑劣な言葉など、ヒールの風格も出てきたキッドが、闇のベルトをさらに黒く光らせる。【松熊洋介】

