総合格闘技のRIZIN TRIGGER 1st大会(28日、兵庫・神戸記念ホール)でメインイベンターを務める昇侍(しょうじ、38=トイカツ道場)が12日、オンラインで練習を公開した。「キャリア最高の試合。悔いのないようにしっかりとした体制で挑みたい」と意気込みを語った。

10月に行われたRIZIN LANDMARK大会で朝倉未来に判定で敗れた萩原京平(25)と対戦する。相手は13歳も年下だが「打撃が力強く、人気もあって男らしいファイター」と実力を認める。

自身も、3秒KOの“世界記録”を持つ「瞬殺侍」。ストライカー同士、早い段階で試合が決する展開も想定されるが「KOについてはタイミング。熱い戦いの中でも、冷静に自分を置いて、決められる時に畳みかけたい」と、落ち着いた表情で話した。

学生時代は野球に熱中。山梨・日本航空高3年時には夏の甲子園に出場した経験を持つ。卒業後は格闘技に打ち込み、20年近く、高いモチベーションを保ち続けてきた。その秘訣(ひけつ)は、今も昔も「できなかったことができるようになるのを楽しむこと」だという。「つらく厳しいと思ってやっていると、何事でも続かない」と持論を展開する。

言葉通り、何度も打ちのめされて強くなった。RIZIN初参戦となった20年9月の24大会では、朝倉海(28)に1回TKO負け。続く21年2月のDEEPでは、元谷友貴(32)に1回一本負けを喫した。それでも、再起をかけて臨んだ今年9月の30大会では、鈴木千裕(22)に1回20秒KO勝ち。試合後は「何度も挑戦しても勝てなかった大舞台で、諦めずに悔しいことを乗り越えて勝つことができた」と男泣きを見せた。

ついにRIZINのメイン舞台にたどり着いた。「本当に光栄なこと。(萩原とは)対格差もだいぶあるが、不利だと思われている部分を覆して結果を残すことが求められている」。場数の違いを見せつけ、「キャリア最高の試合」で自身の使命を全うする。

【勝部晃多】