ボクシングWBO世界スーパーフライ級王者井岡一翔(32=志成)が12月31日に東京・大田区総合体育館で、IBF世界同級王者ジェルウィン・アンカハス(29=フィリピン)と王座統一戦を行うと25日、所属ジムが発表した。12年にミニマム級で日本人初の2団体統一王者となって以来のチャンスで、2階級での王座統一となれば国内初。4団体統一への青写真も描く井岡が、10度目防衛戦となる強敵を相手に、大みそかに、年内の日本人世界戦ラッシュの大トリを務める。

【関連記事】アンカハス「彼のパンチ力は非常に危険」

意欲に満ちあふれていた。今年9月の3度目の防衛成功後、井岡自ら常に口にし続けてきた王座統一戦が実現した。「大みそかに、追い求めてきた統一戦ができるのがうれしい」。12年6月に八重樫東に勝ち、日本人初のWBA、WBC世界ミニマム級王者となって以来2度目の統一戦。2階級での王座統一となれば、日本人初の偉業となる。

「考えれば考えるほど、すごいこと。そういう試合ができるチャンスは数多くないし、感謝して戦いたい。統一戦はいろんな価値、評価がある。違った景色を見たような、別格のような感覚がある」

5年間で9度の防衛というIBF王者に対し、井岡は「めちゃくちゃ強い。いざ決まって映像を見ると、こんなに強いんだと。この階級で長年、王者だったことが分かる。(ボクシング)人生で最も強い相手になる」と気を引き締めた。区切りの自身10度目の大みそか世界戦がビッグマッチとなった。「KOしたいとか、良いパフォーマンスを見せたいとかはない。勝ちたい」と勝利最優先で臨む。

同級ではエストラーダ(メキシコ)がWBAとWBC王座を保持。アンカハスを撃破すれば、4団体統一戦も現実味を帯びる。「大みそかに勝てばエストラーダ選手にオファーしたい。(4団体統一が)ぐっと現実味が増すのでは」と口にした。井上尚弥、村田諒太の世界戦など日本ボクシング界が盛り上がる年末。「周りのことは意識していない。自分が勝つことで精いっぱい」という井岡が必勝態勢で大トリを務める。【藤中栄二】

◆年内の日本人世界戦 IBF世界スーパーフェザー級3位尾川堅一(帝拳)が27日(日本時間28日)、米ニューヨークで臨む王座決定戦を皮切りに、年内は世界戦ラッシュ。12月14日、東京・両国国技館で、WBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(大橋)が防衛戦、セミではWBO世界ミニマム級1位谷口将隆(ワタナベ)が同級王者メンデス(プエルトリコ)に挑戦する。同29日は、さいたまスーパーアリーナでWBA世界ミドル級スーパー王者村田諒太(帝拳)がIBF王者ゴロフキン(カザフスタン)と王座統一戦、セミでWBO世界フライ級王者中谷潤人(M.T)がV2戦に臨む。同31日、井岡が大トリで王座統一戦を迎える。